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踏むし、蹴るしな日常に。

更新をストップしていたここ何ヶ月かの間に、随分色んなことが起きた。

7月、時間に余裕がありすぎて「大好きな手帳で交流会をするか」と企画していた矢先に、仕事の依頼が舞い込み、あれよあれよの間に時間が過ぎて。

8月、子宮頸がんの術後最終定期健診で、まさかの
”卵巣嚢腫”が見つかってしまった。

9月、仕事に溺れる毎日に、「あれ、私って何がしたいんだっけ??」と自分を見失うひと月だった。
術前のストレスや、訳の分からない状況で引き継いだぐちゃぐちゃ状態の仕事の案件、引っ越しの準備もしなきゃで大混乱状態。

10月、何とか腹腔鏡手術での卵巣嚢腫摘出手術を迎えました。
ここまでくる間、まさに「踏んだり蹴ったり」状態で、仕事の余裕が出来たと思えばまたすぐに舞い込んで忙殺されて…の繰り返しだったから、がっつり休む時間が出来てまだ良かったのかもしれない。

・・・・・が、やはり私が医療ドラマ大好き、医療ジャーナリズム大好き人間と言え、初めての腹腔鏡手術・初めての全身麻酔だ、それなりにストレスはある。。

その手術日。
担当の看護師さんがまぶしくてまぶしくてしょうがなかったもんだ。
病室から、手術待合室に移り、5分だけ待機。
もう私は、ドラマで見た景色だと興奮状態に加え、ちょっとだけ手術の緊張で顔が強張っていたんだと思う。
そんな時、天使ちゃんが”ぐっ”と小さくガッツポーズしてくれた姿が、可愛すぎてそんな緊張感はすぐに和らいでしまった。
看護師さんパワー、恐るべし・・・。

そんなわけで、「腹腔鏡て痛くない言うてたくせに、めっちゃ痛いやんけ、騙されたわ・・・・・」と言いながら、病室のベッドでゴロゴロしてたんですわ。

といえ、私なんかちょっと切れば治る病気。
その入院した病院の特性上、周りにはいつどうなってもおかしくない病気の方に囲まれてるようなもんなんですね。
みなさん、ただでさえ病気のストレスでイラついてる上に、コロナのおかげで家族とも面会も出来ない、辛い闘病状態やったやろうに、
患者さんとのおしゃべりも良いもんですよね。

「若い(といえいい年)のにどうしたのよお、大変ね」と声かけてもらえたら、ほわほわほわーってするもんなんです。
病院って殺伐してるから、ほんとそんな感じ。
みかんもらったり、飴ちゃんもらったり、痛いながらも心温まる入院生活だったなと思う。

けどその反面、隣にはガンと闘っている患者さんがいっぱいいるわけで、
「人間の五体不満足・健康は約束されているわけじゃない」と実感。
出来るだけ、周りの人には優しく接したいなと感じた日々でした。


さて、術後約2週間は、実家に帰って療養。
大阪に戻り「さあ、引っ越しの荷造りを始めよう!!」
と意気込み、売りに出す本を持って行った後、皮膚科受診の為に駅階段を押している時に、うっかり足を踏み外してしまい、

プチン

と何かが切れた音がした。

よもやよもやだ。


私は、引っ越し4日前にしてまさかの捻挫をしてしまった。(しかも靭帯損傷)

さて、その後病院に駆け込んだりあーだこーだ。
松葉杖使って歩いていると、ご婦人から「大変ね、気を付けてね」と多々声をかけていただいた。

松葉杖で歩いていると、さも迷惑そうにジロジロ見てくることもあって
イライラが募っている時に、この声掛けはとても温まるものがある。

引っ越したマンションの管理人さんも、何度も気をかけてくれるし、
果てには引っ越しのお別れにお菓子を頂いてしまった。(その前も、退院のお祝いとケーキを頂いたり、マスクを分けてくれたり。)

引っ越し当日も、引っ越し作業がちょっと遅れてしまったに関わらず
引越し屋さんがあれこれ世話を焼いてくれる。
ああ、他人ってなんて温かいんだろう。

まさか、5年済んだ部屋から松葉杖を使った満身創痍状態でお別れをするとは夢にも思わなかったけれど、これはこれで良い思い出だ。

引っ越し先の駅に到着して、エレベーターを使った時も
ご婦人に「お互い大変ねえ、気をつけましょうね」とお声をかけていただき、ホワホワする。

自分が傷ついている時でないと、他人の優しさに気付けないというのは、なんとも勿体ない話だ。
こんなに温かくてふわふわして、気持ちの良いものに気付かないなんて、ちょっと毎日損した気分。でも、そのおかげで気づけた感情もあり、プラマイゼロってところでしょうか。

腹腔鏡の手術、退院後
予想以上に歩くのがシンドイ。ちょっとの段差でもお腹の傷にビリリと来てなかなか歩けない。
捻挫生活も然り。ただでさえ歩くのが難しい上に、段差なんて命とりだからなるべく平坦な道を歩きたい。
人を避けるにも、ものすごく重労働に感じる。頼む、ながら歩きはやめてくれ。
そんなんなら、外に出なけりゃ良いと言われるだろうが、そうとも行かないのが「生活する」ってことだ。

いわゆる「五体満足な健常者」には分からないし、想定している以上に街中って障害物だらけなのかもしれない。
自分がなってみないと分からないとは、まさにそのこと。

私も、出来るだけだけど、
そんな力量とか特にないけど、他人様にはなるべく優しくしたいし、
何気ないことでも、誰かにとっては危険行動なんだろうなと心に留めて生活していきたいものです。


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