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瞼を閉じればそこは銭湯

コロナ、ワンオペ、お母さんを追い詰めるものは沢山ある。買い物も旅行もお預けで、命を預かる重圧に耐えながら、米粒だらけの床をシンデレラのように拭く毎日

よく、ワンオペ育児の三種の神器として挙げられるのは
「食器洗濯機」
「ロボット掃除機」
「乾燥機能付き洗濯機(ドラム式のイメージ)」
であるが、私の中で劇的に救われたと思う家電としてお勧めしたいのが
「電動自転車」である。

子ども二人を乗せて坂道をスイスイ登れるあの家電は
私にとっては魔法瓶以来の「本当の魔法」だった。
ワンオベでどうしようもない時、会社帰りの荷物と子どもをドン!ドン!と乗せて
夜道をガーッ!と走るのが好きで、スピードも出るし、月が出てるねってことを伝えるのに
でっかい声を張り上げなきゃいけないので、ストレス発散にちょうどよかった。

シンデレラは高性能の掃除機よりカボチャの馬車が欲しかったはずだ、と今でも強く思っている

私が電動自転車を手にして頻繁に通う(逃避する?)ようになったのが回転寿司と銭湯である。
ちょっと離れたところにある隣町の銭湯には炭酸風呂があって、39度くらいの低温でいつまでも入っていられる上に、湯船に入れていいおもちゃが置いてあって
子どもらも行こうというと喜んでついてくるお気に入りの場所になった。

で、コロナも長引くうちに上の子が小学生になって100円程度だけどお金がかかるようになったので
今では第4土曜日のファミリーデー(子どもは無料)にはぜひ銭湯に行こう
という感じになっているのだけど、昨日はあいにくの雨で自転車が漕げないので
最寄りの江戸っ子激アツ風呂銭湯に行こうと家を出た。

ところが、行ってみると電気が消えており、
「31日までお休みします」の張り紙が貼ってあった。
分かってもらえると思うのだけど、風呂グッズを手に持って風呂上がりの牛乳飲もうね!とワイワイ言いながら出かけたので
この気持ちをどこに持っていって良いかわからない。

いつもの銭湯に行くことも検討したが
夕飯時にほろよいも飲んでるのでクルマも自転車も不可
バスが通っている場所ではないので、近くに停留所もない。
タクるか、、、と思ったが、乗り物酔いするから嫌だと上の子

うーんと考えて

それなら、家で銭湯ごっこをしよう。という結論に至った。

コロナの副産物だと思うのだけど、我が家はコロナで中止になった行事を
自宅で再現する遊びを覚えた。
花火大会、夏祭り、縁日、キャンプ、、
その場に行かなくても、その行事が何で成り立っているかを分解して、身近にあるもので再現すれば、なんとなく行った気分が味わえる というもの。

大人も含めて本気でやることがコツである。

早速そのまま薬局に行き、バスボムを2つ買った。
(この辺りからBGMは QueenのBicycle Raceでお願いします)

二人が選んだバスボム。物価高騰の影響なのか一個500円(高い、、)


その後、スーパーに寄って、牛乳を3つ買った。
瓶の牛乳は売っていないので、話し合って濃いめの牛乳にした。

瓶は売ってなかった。


ついでにアイスを買ってドライアイスを確保し、帰宅。

子ども作業用の小机を風呂場の前に置いて、
家中の鍵とタオルとシャンプーを机に乗せて
上の子が番台役になった。

そこは入口ではない。

玄関から入って靴を靴箱にしまい、
番台さんに「大人と未就学児1人ずつ」と言って
タオルと鍵を受け取ってエアーお金を払う。
風呂場ではなくわざわざ隣の部屋でスッポンポンになり、タオルを頭に乗せて、さぶさぶ言いながら風呂に入る。
子どもが風呂掃除のスポンジと洗剤を中から出して、「すみませんねえ、昼に掃除してたの片付けてなくて」なんて言う。(いいぞいいぞ)

湯船に入って、ヘリに置いた桶の中にドライアイスをぶちまけたら、湯けむりのように
床がモックモクになった。(煙の勢いに恐れをなして換気する羽目に)
贅沢にバスボムを2つ入れて、あっという間にお湯が濃すぎるオレンジになった。

風呂を出て、床をビッチョビチョにしながらまた隣の部屋で着替えたら、みんなで牛乳を飲んだ。
そして次回開催に向けた反省会をした(よりリアルにするにはのれんがいる、とか、牛乳はやっぱり牛乳瓶じゃないと、とか、、、)

濃すぎてなんかチーズの味する と上の子

結局銭湯に行くより高くついたけど
子どもらも私も大満足の銭湯ごっこができた。

ガッカリをガッカリで終わらせないようにするのには、いくつか選択肢があるけれど、またいつ何時緊急事態宣言で軟禁になるか分からない世の中だから、脳内バイクもいつでも盗めるようにしておきたい。

VRメガネなんてなくても、色んな景色の見える子になるごっこ遊び、おすすめです。




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