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【音楽と占星術】白む景色と「owari no kisetsu」

扉の陰で 息を殺した
かすかな言葉はさようなら

私が「終りの季節」を初めて耳にしたのは、オリジナルの細野晴臣でもなく、矢野顕子のカバーでもなく、Rei Harakamiの「owari no kisetsu」だった。

ひんやりとあたたかい電子音に、ポツポツと無機質な声がこだまする。心地よい音の残像に孤独であることの美しさを感じる曲。

10代のオールした帰り道に通る高架下や、20代になって仕事で徹夜して一人始発をホームのベンチで待っているときや、30代も半ばを過ぎて「あー仕事辞めたいなぁ」と思いながらそれでもワンルームの片隅で次の朝を迎えてしまった瞬間や、こないだまであんなに暑かったのにいつの間にか秋の気配を感じて夏に置いてけぼりを食らったかのような夜明け前とか、空がうっすらと白みはじめる時間に本当によく似合う。

これは誰かと聴く音楽じゃない、どうか一人きりで孤独を抱えて聴いてほしい。ヘッドフォンがあるとなおよい。

レイハラカミのリミックスでいうと、このくるりの「ばらの花」も好き。

しかし本当に、自分がこの世から去った後にもこうして自分の子供たちともいえる作品が永遠に愛されてゆくというのは、音楽家って素晴らしい職業だと思う。

そして気になるレイハラカミのホロスコープがこちら(出生時間不明)。

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エレクトロニカというと風かなとつい思ってしまうけど、彼の場合は地と水が多く、不動宮が強い。あー確かにテクノとかのループって不動宮っぽいかも。ホロスコープの類型では「ファンネル型(ファン型)」。月と土星がそのほかの惑星を支援する、きれいなメガホン型になってる。

でも一番気になるのは牡牛座の月と土星を頂点とする、天王星(天秤座)、太陽(射手座)とのYOD(ヨッド)。YODというと別名「神の指」とも呼ばれるアスペクトで、何か一つのことを探求(それしかできない)してその道を極めるみたいに言われるけど、Wiki によると作品作りにはほぼ同じ機材しか使っていなかったみたいだし、不動宮が強いことや月と土星の合からも、きっとこれと決めた技法にとことんこだわり、飽きることなく繰り返して昇華させていくスタイルだったんじゃないかなと思う。

「なるべく感情を抑えようとしていた」
「どんなに売れてもスタンスを変えないのをポリシーとしていた」

なんて言葉にも、彼のホロスコープらしさを感じることができる。

でも個人的には、唯一の風である天秤座の天王星が彼の音楽においてとてもスパイシーに効いているんじゃないかと思う。電子音がしんしんと降り積もる中、突然の変調によって思わぬ調和がもたらされる時とかに特に感じる。

暗い顔を紅く染める
それで 救われる気持
“終りの季節”

朝5:00に聴きたいプレイリストでも作ろうかな。


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