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激務の中で大量のインプットを可能にする読み方

毎日5,6時間を新聞にあてる?

知の巨人などと言われる人のインプット能力はすごい。冊数もすごいし、それにかける時間もすごい、例えば、佐藤優さんは、毎日5,6時間を新聞にあてていたという話があります。

だから毎日 5 ~ 6 時間は、新間を読む時間にあてていました
「僕らが毎日やっている最強の読み方」

佐藤優さんは,人から機微に触れる情報を聞き出すためには,新聞を丹念に読んで内外の情報に精通しておかなければならないということからそれだけのインプットをしていたとのことです。

よいインプットを得るために,それを得るためのインプットを行う。インプットの質が,さらなる質の良いインプットを招くということです。

とてもそんな時間をかけてのインプットはできません。

いったいどのようにしてこんな時間を生み出していたのでしょうか。

私達にできるのは,やはり「チリツモ読書」という考え方です。ほんの小さな時間を見つけて本を開くということがそれを可能にするわけです。


激務の中,で夏目漱石全集の「注」で紹介されるほどの堂々とした本を執筆できるインプット

たとえば、「遅読のすすめ」で紹介されている倉田卓次という方についての記述があります。

倉田卓次さんあh,裁判官という激務の中,読書に使える時間は一日40分しかない毎日,堂々とした3冊ものシリーズ本を出せるほどの読書をされました。

「遅読のすすめ」では,この読書の仕方を,

書生の読書ではない。生活人の読書である。

と言っています。生活のことは放っておいて本を読むことに全力を捧げるのは「書生の読み方」

それに対して,生業を大切にしながら,そのなかから時間を生み出して行う読書を「生活人の読書」と言っています。

1日40分しか読書に使える時間がない中で読み,夏目漱石全集における「註」で紹介されるほどの本を出せるほどのインプットをするために,倉田さんが行った実にシンプルな方法が紹介されています。

「ちょっとずつでもその都度一冊をと心がけるようにすると,けっこうたくさんの本を手に取ることができる」

ほんの少しのすきま時間を見つけて読書をする。それしかないし,だれにでもできることでもあります。

少しの時間も惜しんで読書するということは,おそらく誰でも知っていることでしょう。しかし,それを、知識ベースではなく、行動した経験で知っているのかということに尽きます。実際にやっているのかということですね。


僕のチリツモ読書

ちなみに,2014年頃,僕はそのような読書に「チリツモ読書」と名付けて読書を行っていたことを記事にしています。

当時,僕は人生最激務の中にいたのですが(自分の仕事を始めるのは夜の8時ごろから,というような生活),そのなかで少しでも読み進めるために行い,1週間に数時間の時間を作り出した,「明治の人物誌」「自助論」など,かなりページ数の多い本を読破していました。

だから,少しの時間を見つけて本を読むということはみんなにできることかと思います。読書の時間がない,と言っている人は,「まとめて撮れる時間がない」ということでしょう。少しの時間ができたら本を開くという「チリツモ読書」を行ってはいかがでしょうか。

ヘルマン・ヘッセ「新聞は読書の最も危険な敵」

ちなみに、チリツモ読書とは関係ありませんが,ヘルマンヘッセは次のように言っています。

もちろん、一般的に、新聞は書物の最も危険な敵のひとつである。・・・新聞読むだけには勿体無いほど優れた読書能力をスポイルするからである。 #ヘッセの読書術 14

新聞は,読書の時間と能力をうばっていく敵。そんなふうにとらえていたんです。

僕は新聞を読むことも「読書」と捉えていますので,ヘルマン・ヘッセが新聞読書の対局においていることが意外でした。

 調べてみると,当時の新聞は、タブロイド紙的な娯楽的要素の強いものだったことがあるようで,今でいえば、さしずめ娯楽週刊誌のようなものだったわけですね。情報源としてどうか,というようなものだったのでしょう。

今の新聞を読んだら、ヘッセは違う感想を持ったかもしれません。


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