イライラにイライラを返さない
3歳の息子が泣いている。
暴れている。
メロンソーダをもう一本買ってきて!
ロールケーキ買ってきて!
シュークリーム買ってきて!
泣きながら要求するものがどんどん変化していく。さながら連想ゲームのようだ。
涙と鼻水でぐちゃくちゃの彼の顔をみると笑ってしまうから、私は頑張って真剣な表情を作る。
怒りをこんなに顔に出せるのってすごいよな、と羨ましくも思う。
ここで笑ってしまうと、笑わないで!とまた大暴れが始まってしまうからだ。
シュークリーム買ってきて!
うん、分かったよ
分かったよって言わないで!
うん
うんって言わないで!
どうすればいいのさ?
シュワシュワ買ってきて!
買ってくるよ
僕も一緒に行く!
いいよ、行こう
お母さんアイス買ってきて!
何だこの堂々巡りは。
でも理由はわかっている。
彼は今疲れて眠たいのだ。
なんなら一昨日から熱を出していて、体力も下がっている。
もうお昼寝の時間だけど、うまく寝れなくて、その不満を私にぶつけている。
寝れないという辛さが、欲しいものを買ってもらえないという不満にすり替わってしまっているのかもしれない。
そんな時、寝ようよと誘うのは逆効果。
だって彼は眠いからイライラしていることに気づいていないから、何話逸らしてるんだと大激怒するだけ。
そんな時は、言っていることを繰り返す事にしている。これもタイミングを見極めないと真似しないで!と言われることもあるので要注意。
シュワシュワ買ってきて!
シュワシュワ買ってこよう
どうやって?
ねんねしている間にお母さんが買ってくるよ
歩いて行って!
歩いて行くよ
僕も行く!
一緒に行きたいのね。じゃあねんねしてから行こうか
今行く!
今行きたいのね
実はこの一連の流れ、寝室で行われていたので、布団に寝そべる私の横に来たら、チャンス。
いつもの寝る体制に持ち込む。
彼には寝る前のルーティンがあるのだが、自然な流れでそれを始める。
ひっくひっく言いながらも、眠い彼は目を閉じた。
やっぱり眠かったんじゃないか!
寝ながらひっくひっくいう彼の寝顔もとても可愛い。まんまるのほっぺに、小さい口が半開きだ。
何で怒っているのか分かれば、こちらは焦ることも怒ることもない。
叩かれればイラっとするが、やめてと言えばいいだけだ。
彼は最近、ちょっと注意されたと感じると
おかあさんきらーい!という。
私は負けじと、お母さんは大好きーー!と返す。
きらーい
すきー
きらーーい
すきーー
……すきぃ
この瞬間がたまらない。可愛すぎるだろう。
昔子どもだった頃の私も、今の息子と同じ様なことをしていた。
無茶苦茶イライラして、相手を試す様な言動をよく取っていた。触るもの皆傷つけてやる!くらいの気持ちだった気がする。
その時親にどう返されたか忘れてしまったけど、私の心にいる小さかった頃の私が返して欲しい言葉を返している。
怒りに怒りを返さない。
グーできたらパーで包む。
そんな気持ちで息子と向き合いたいな、って思っている。
とは言え、これが出来るのは私に時間的余裕と体力の余裕がある時だけ。特に睡眠不足はもうそれだけで余裕がなくなってしまう。
子供も大人も寝るの大事。
あと理不尽な要求されるって、そうしても嫌われないって思われてる信頼の証だなって、ちょっと嬉しい。
もちろん息子に限る。
そんな息子は海の波は誰かがざぶんざぶんとおこしてると思っている
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