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【書籍レビュー】#06 「悟浄出立」 万城目 学 著

 本作は作品としても面白いだけではなく、作品作りにおいて見習いたい切り口、物語の描き方、本流の捉え方がつづられる。

 本作の主人公は、中国史に残る名作の脇役または、主人公を観察するものである。主人公の活躍や行動を傍でどのように見て、感じて、行動したのかが語られる。

 西遊記の沙悟浄。
 三国志における趙雲仔龍。
 項羽と劉邦における虞美人。
 秦の始皇帝と荊軻における同名の吏官。
 司馬遷の娘。

 ラインアップを見ただけで、早く読みたくなってしまう。

 読んでみて「なるほど」「むぅぅう」「ニヤニヤ」など、当の名作に勝るとも劣らない内容にすべてを一気に読み切ってしまった。本流の主人公を観察、又は、関わる脇役たちの感情が溢れる一作。

 こういった作品作りにも挑戦してみたいと思わせてくれる作品だった。
 よかったらあなたにも読んでもらいたい。


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