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愛欲に溺れてもいいんじゃない?

こんにちは。のっけから俳句です。


    七月や縛さるる男の嗚が暗し


  (しちがつや ばくさるるおのおが くらし)

「嗚」という漢字は、叫び声の「嗚呼(ああ)」を書く時に使われます。
ここでは一文字で「お」と読んでいます。
ため息や悲しい時の声という意味です。

テーマは日本の近代文学に特有の、男のじめついたリビドーです。
あ、笑っていいところですよ。

ブログって自由ですね。
句会に持って行ったら即アウトな句も、さりげなく晒しておける。

閑話休題。

家の近くに小さな神社があります。
敷地は狭いけど、木々がこんもりと茂っています。
昔は隣接する民家も境内の一部だったようで、
その頃はちゃんとした小暗い森だったんだろうなあ、と思わせます。

そういう時代の境内なら
逢引きや駆け落ちの舞台に相応しいだろう、と想像します。
そんな句をつくりました。


    御髪かぐその吾をかぐ真昼の蛾


    花栗の夜の道行は堅き手を


    夜の秋脱がせピエタの肌とす


    病葉やけがれある児のかくれ鬼



それではどうぞ、たのしい夏をお過ごしください。


※4句目の「肌」は「はだえ」と読みます。
「はだえ」と読むと、下五がちょうど五音になります。

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