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ダイバーシティ3.0へ 持続的な組織作りのために必要な3つのポイント【ヒューマンキャピタル2022セミナーレポート】

こんにちは、私たちは、コーチング×コンサルティングで個人と組織の可能性を引き出し、企業の人材育成・組織課題の解決をサポートするLYL(リール)です。コーチングで個人の思いを引き出し、コンサルティングで組織の成長へとつなげ、企業の組織づくりの長期的な成果にコミットしています。

LYLは、2022年7月13日~15日に開催された日本経済新聞社 日経BPが主催する、経営・人事・組織改革の分野における業界最大規模の展示会「ヒューマンキャピタル2022」に出展。最終日にはセミナー「ダイバーシティ3.0へ 持続的な組織作りのために必要な3つのポイント」を実施しました。

このnoteでは、ダイバーシティ推進において経営者・人事の方々が抱える悩みを解決するヒントになるような内容を、セミナーから抜粋してお伝えします。

セミナー登壇者:小山 侑子
株式会社LYL代表取締役。外資系経営戦略コンサル会社ローランド・ベルガーへ新卒で入社。5年間、大手企業のVision策定や新規事業などに従事。現在は、LYLの経営、SEVENRICH GROUPのCHROに従事しながら、自らもコーチングセッションを行う。

セミナー登壇者:松尾 美香
株式会社LYL顧問。日系と外資損害保険会社の統合を人事の側面で陣頭指揮し、約3500人の社員への職務希望調査を行い8割の社員が希望職種に従事する改革を成功させた。 親身なリーダーとして数多くの日本人ビジネスピープルに寄り添い、世界に通用するリーダーになるべくコーチングを行う。次世代の経営陣の発掘・育成、女性や若い社員の活躍推進に力を注ぐ。

セミナー司会者:登田 真由子
株式会社LYL広報。元テレビ局アナウンサー・ディレクター。地方局の報道番組から、日本テレビ「ニュースZERO」、NHK「NHKスペシャル」などを担当。企画提案から取材・撮影・編集・放送で伝える仕事までを経験する。
現在は、企業広報の他、「インタビューで魅力を発掘し、伝える力を磨く」プログラムを主宰する。

当日のセミナー冒頭では、参加者のみなさまに以下のような問いを投げかけました。

上のスライドにある内容は、LYLが企業さまからいただく代表的な悩み。ダイバーシティ推進に取り組む理由から具体的進め方まで、企業によって悩む箇所はさまざまです。

そもそも、ダイバーシティの定義は?

小山:ダイバーシティと聞いて、皆さんはどのようなイメージを持ちますか?

ダイバーシティ推進に取り組む意義や進め方を説明する前に、まずLYLが考える「ダイバーシティの定義・姿」をお伝えします。

小山:従来、ダイバーシティは女性、障害者、外国籍の社員など、「社員の人数が少ない特定のセグメント」を示すことが多かったと思います。しかし、LYLでは「ダイバーシティの定義」を上の図のように捉えたうえで、推進すべきだと考えています。

性別や戸籍だけでなく、健康状態や働き方、スキル、価値観などさまざまな要素が複雑に組み合わさった社員で構成されている状態や組織。それがダイバーシティであり、私やみなさんもダイバーシティのなかの1人であるという考え方です。

そして、私たちは、目指すべきダイバーシティの像を「ダイバーシティ3.0」とし、それの定義と成果を以下のように考えています。

小山:一人ひとりの個性が認められれば、一人ひとりがリーダーシップを発揮し、会社の成果にもつながる。これこそが我々が考える「ダイバーシティ3.0」の定義と成果です。

ダイバーシティ推進、3つのフェーズ

小山:では、ダイバーシティ施策として具体的に、何を(What)どうやって(How)進めるべきなのでしょうか?

まず、ダイバーシティ推進のフェーズは3つあります。

小山:ダイバーシティ1.0と2.0は、経済産業省が打ち出しているものです。

1.0は、まずダイバーシティ推進のKGI/KPIを設定し、社内・社外に開示=ゴールの設定と周知を行うフェーズ。

2.0はトップダウンでの推進を行うフェーズ。経済産業省の出す「ダイバーシティ2.0 行動ガイドライン」では、さまざまな取り組みが記載されていますが、そのなかでもLYLが考える重要なポイントは「企業のトップがダイバーシティに真摯に向き合い、コミットする」ということ。

そして3.0。これは、LYLがさまざまな企業さまとダイバーシティ推進を行うなかで新しく定義したもので「社員一人ひとりが自走している状態、その集合体として自走する組織を作る」フェーズです。ダイバーシティ推進が上手くまわりはじめ効果も表れてくるフェーズといえるでしょう。

ダイバーシティ施策として、何をどうやって進めるべきか

小山:次に各フェーズの概要とやるべきことを説明します。

ダイバーシティ1.0

小山:ダイバーシティ推進を始める1.0の状態では、まずKGI/KPIを設定し、社内・社外に開示します。このフェーズで重要なのが、短期目標・中期目標を明確に設定したうえで、現状とのギャップを把握すること。そしてその結果を、社内/社外にオープンにし、継続的な意識喚起を行うことが大切です。

ダイバーシティ2.0

小山:次に2.0。トップダウンでダイバーシティ推進を進めるべきこのフェーズでは、ビジョンの打ち出し、経営層による現場の説得/巻き込み、推進のための仕組み化が重要になります。

ダイバーシティ推進は、トップのコミットメントがないと実現が困難です。よくある事象は、「ダイバーシティ推進は人事の仕事」などとして、事業との統制が図れなくなってしまうこと。一部署や社内の特定の人間だけで進めても、従業員は混乱します。事業との連携がとれていないと、従業員は何を優先していいか分からなくなってしまう。だからこそ、ダイバーシティ推進がたとえ人事部の管轄であったとしても事業部門を積極的に巻き込むことが成功への近道となります。

また、ダイバーシティ1.0と2.0の施策は同時に進めることをオススメします。目標設定と時を同じくしてトップダウンでの推進が始まれば、その本気度が社内社外問わず伝わるでしょう。対外的に目標を発表することによってトップ層の意欲を換気する効果も期待できます。

2.0のフェーズが進んでいないと、3.0のフェーズも上手くいきません。一方、2.0のトップダウンが上手く進んでいれば、3.0で必要になる「自走する社員」を会社全体で支援することができ、ダイバーシティ実現への歯車が回り始めるでしょう。

ダイバーシティ3.0

小山:3.0は簡単にいうと「トップがやれと言わなくてもまわる状態」です。社員が自走できる環境を創り、自走する社員が増えれば、そこで社員たちが議論を通じて生み出す施策には多様性、創造性が生まれ、他の社員からの共感度もあがるでしょう。

小山:3.0のフェーズを進めるポイントは3つあります。

1つめは、社内アンバサダーのアサイン。「取り組みの中心となり、周りを巻き込めるひと」をアサインします。

2つめは、全階層の巻き込み。アンバサダーを中心として推進メンバーを募集し、グループ化していく際には、「ダイバーシティの定義」を念頭に、さまざまな個性を持つ社員を集めるようにしてください。

3つめは、「提案を施策に反映するためのフローの整備」。これは、「ダイバーシティ推進を持続的に行うために必要なポイント」で、推進メンバーの取り組みに対して会社がきちんと応えるために必要な内容です。2.0フェーズで行ったトップのコミットメントを活かして、推進メンバーの提案を全社施策として反映できるようにしましょう。

ダイバーシティ推進の事例

最後に、ダイバーシティ推進を行っている事例として、LYL顧問の松尾がCHRO(最高人事責任者)を務めていたAIGジャパンの取り組みとその効果をご紹介します。

松尾:最初の取り組みとして行ったのは、女性活躍の推進をリードする「Women and Allies」というグループ(ERG=Employee Resource Group)の発足。これは、トップダウンで進めはじめました。

グループの発足にあたり、初代リーダーは推進力のある女性を任命し、女性社員だけでなく、社内で影響力のある男性リーダーにも声をかけ、参加者を募りました。また、毎週メンバー数の増加報告を全社で行うことで、入会するのがトレンディであり、面白そうという空気を醸成します。

グループが構成されてからは、運営をメンバーに任せました。そこで参加メンバーは組織運営の難しさを学び、リーダーシップを養っていくという、組織にとってとても重要な成果も生まれました。

そのメンバーの成長を見たほかの社員も影響を受け、結果的に多くの社員がグループに参加したり、新たなグループが今度は有志でも発足しました。例えば、Women and Allies以外にも、LGBTQの会や子育て・介護中の社員が集まるグループなど。これにより社員同士の交流が盛んとなり、自然に社員同士の議論が生まれ、ダイバーシティが身近なものになりました。グループ運営を通じて、ダイバーシティ推進のほか、次世代のリーダー育成にもつながった事例です。

ダイバーシティ推進をサポートするLYL

このnoteでは、ダイバーシティの定義からフェーズ、進め方を説明してきました。

まとめると、ダイバーシティ3.0は「一人ひとりの個性を活かせる職場環境作りを行うこと」。ダイバーシティ推進による効果は、「メンバー一人ひとりがリーダーシップを発揮することによる、組織のパフォーマンスアップの実現」です。ぜひ、上記の内容もご参考に、ダイバーシティ推進を進めてみてください。

また、ダイバーシティ推進をサポートすべく、LYLでは、1on1コーチング×ワークショップ×コンサルティングを組み合わせたプログラムを提供しています。

1on1コーチングでは、社内アンバサダーやチームリーダーとして務めるメンバーの強みやビジョンについての内省の機会を提供し、会社で実現したいことの言語化をサポート。メンバー育成による組織の発展をご支援します。

ダイバーシティ推進についてご相談やLYLのサービスにご興味ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

導入事例は、以下の記事をご確認ください。

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