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スピッツ歌詞考察(第56回)水色の街


【基本情報】

水色の街
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&亀田誠治
3分29秒

<リリース日>
2002年8月7日(27thシングル)

<収録アルバム>
三日月ロック(2002年9月11日リリース、10thオリジナルアルバム)
CYCLE HIT 1997-2005 Spitz Complete Single Collection(2006年3月25日リリース)

<タイアップ>
映画『海でのはなし。』挿入歌(2006年)

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

川を渡る 君が住む街へ
会いたくて 今すぐ 跳びはねる心で
水色のあの街へ

優しくなって プレゼント持って
会いたくて 今すぐ 間違えたステップで
水色のあの街へ

ララララ ラララララ ララララ ラララ

頸の匂い 明るい瞳
会いたくて 今すぐ 泥まみれの靴で
水色のあの街へ

ララララ ラララララ ララララ ラララ

川を渡る 君が住む街へ
会いたくて 今すぐ 跳びはねる心で
水色のあの街へ

水色の街(作詞:草野正宗)

【考察①】

登場人物は、主人公と“君”です。
明確になっている情報としては、“君”が住む街へ行くには川を渡らないといけないことと、その街は水色のイメージがあるということと、主人公が“君”に会いたがっていることだけです。
まずは文字通りに解釈して、考察していきましょう。

川を渡る 君が住む街へ
会いたくて 今すぐ 跳びはねる心で
水色のあの街へ

“君”が住む街へ行くために、この川を渡る。
今すぐにでも会いたくて、心躍らせている。
“君”が暮らすあの水色の街へ。

優しくなって プレゼント持って
会いたくて 今すぐ 間違えたステップで
水色のあの街へ

“君”に対しては、どうしても優しい気持ちになっちゃうから、プレゼントを用意した。
今すぐにでも会いたくて、変なステップを踏んでいる。
“君”が暮らすあの水色の街へ。

ララララ ラララララ ララララ ラララ

頸の匂い 明るい瞳
会いたくて 今すぐ 泥まみれの靴で
水色のあの街へ

“君”の好きなところは、首筋の匂いと明るい瞳。
今すぐにでも会いたくて、靴が泥まみれでも構わない。
“君”が暮らすあの水色の街へ。

ララララ ラララララ ララララ ラララ

川を渡る 君が住む街へ
会いたくて 今すぐ 跳びはねる心で
水色のあの街へ

“君”が住む街へ行くために、この川を渡る。
今すぐにでも会いたくて、心躍らせている。
“君”が暮らすあの水色の街へ。

主人公の一人称がなく、二人称も“君”なので、性別やおおよその年齢もはっきりとしませんが、“君”の首筋の匂いに魅力を感じているところからして、男女の性的な要素が含まれているように見えます。
しかし“君”が赤ちゃんで、主人公が孫にプレゼントを持ってきた祖父母だとしても成り立つので、抽象的な考察しかできません。
そして何をイメージして街が水色なのかもよくわかりません。

【考察②「性」】

では、スピッツの曲のテーマのひとつである「性」の要素を強めて考察していきましょう。

川を渡る 君が住む街へ
会いたくて 今すぐ 跳びはねる心で
水色のあの街へ

“君”がいる店に行くために、この川を渡る。
今すぐにでも会いたくて、心躍らせている。
“君”が働くあの風俗街へ。

優しくなって プレゼント持って
会いたくて 今すぐ 間違えたステップで
水色のあの街へ

優しさをアピールするために、プレゼントを用意した。
今すぐにでも会いたくて、勤務時間外に凸しに来た。
“君”が働くあの風俗街へ。

ララララ ラララララ ララララ ラララ

頸の匂い 明るい瞳
会いたくて 今すぐ 泥まみれの靴で
水色のあの街へ

“君”の好きなところは、首筋の匂いと明るい瞳。
今すぐにでも会いたくて、汚れた身なりのまま来た。
“君”が働くあの風俗街へ。

ララララ ラララララ ララララ ラララ

川を渡る 君が住む街へ
会いたくて 今すぐ 跳びはねる心で
水色のあの街へ

“君”がいる店に行くために、この川を渡る。
今すぐにでも会いたくて、心躍らせている。
“君”が働くあの風俗街へ。

「水色」は「水商売」のことをさしており、主人公はスナックのママさんかキャバ嬢か風俗嬢に恋をしてしまいました。
会いたくて仕方なく、ウキウキしている様子が描かれています。

【考察③「死」】

最後に、もう一つのテーマである「死」のパターンも考察していきましょう。

川を渡る 君が住む街へ
会いたくて 今すぐ 跳びはねる心で
水色のあの街へ

“君”を追いかけて川を渡る。
今すぐにでも会いたくて、衝動にかられた。
薄暗い水色のあの世へ。

優しくなって プレゼント持って
会いたくて 今すぐ 間違えたステップで
水色のあの街へ

死を迎えて丸くなった。
冥途の土産を持ってきた。
今すぐにでも会いたくて、自ら命を絶った。
薄暗い水色のあの世へ。

ララララ ラララララ ララララ ラララ

頸の匂い 明るい瞳
会いたくて 今すぐ 泥まみれの靴で
水色のあの街へ

“君”の首筋の匂い、明るい瞳が忘れられない。
今すぐにでも会いたくて、泥まみれの靴で来た。
薄暗い水色のあの世へ。

ララララ ラララララ ララララ ラララ

川を渡る 君が住む街へ
会いたくて 今すぐ 跳びはねる心で
水色のあの街へ

“君”を追いかけて川を渡る。
今すぐにでも会いたくて、衝動にかられた。
薄暗い水色のあの世へ。

主人公は“君”を追って自らの命を絶ちました。
「“君”の住む街=あの世」なので、「川=三途の川」かもしれません。
川が流れていて、辺りに水があるので「水色の街」と表現しているものと思われますが、PVのとおり薄暗い水色の世界をイメージするならば、そこが死後の世界だとしても不思議ではありませんね。

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