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スピッツ歌詞考察(第43回)冷たい頬


【基本情報】

冷たい頬
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&棚谷祐一
4分4秒

<リリース日>
1998年3月18日(18thシングル)
※「謝々!」と両A面シングルとしてリリース。

<収録アルバム>
フェイクファー(1998年3月25日リリース 8thオリジナルアルバム)
CYCLE HIT 1997-2005 Spitz Complete Single Collection(2006年3月25日リリース)
など

<タイアップ>
コニカ『Revio』CMソング(1998年)
MBS/TBSドラマ『伊藤くん A to E』第1話、第2話エンディングテーマ(2017年)

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

歌詞は下記のサイトでご確認いただけます。

【考察】

「あなたのことを 深く愛せるかしら」
子供みたいな 光で僕を染める

“僕”は友人関係だった“君”に恋心を抱いており、愛の告白をしました。
しかし、“君”の返事は「NO」でした。
理由は「深く愛せる自信がない」から。
つまり「恋愛感情を持つことはできない」ということです。
“君”は子供のような純粋な目で“僕”を見つめて、そう言いました。

風に吹かれた君の 冷たい頬に
ふれてみた 小さな午後
最後に“君”の頬に触れると、風に吹かれて冷たくなっていました。
そんな、とある日の午後の出来事でした。

あきらめかけた 楽しい架空の日々に
一度きりなら 届きそうな気がしてた
誰もしらないとこへ 流れるままに
じゃれていた 猫のように
誰にも見られることのない場所へ行き、流れのまま猫のようにじゃれ合う。
(=イチャイチャする)
そんな楽しい空想をしては、叶うわけないと諦める日々を繰り返していましたが、「一度きりなら叶うかも!?」という淡い期待を抱いていました。

ふざけ過ぎて 恋が 幻でも
構わないと いつしか 思っていた
ヤケクソになって、この恋が幻でもいいと、いつしか考えるようになっていました。

壊れながら 君を 追いかけてく
近づいても 遠くても 知っていた
それが全てで 何もないこと 時のシャワーの中で
冷静さを失い、“君”を追いかけていく。
たとえ“僕”が“君”にとって近しい存在であろうと、遠い存在であろうと、答えが“NO”であることは過行く時の中でわかっていました。

夢の粒も すぐに 弾くような
逆上がりの 世界を見ていた
それでも“僕”は、夢が夢のままで終わらないような大逆転劇の世界を想像していました。

壊れながら 君を 追いかけてく
近づいても 遠くても 知っていた
それが全てで 何もないこと 時のシャワーの中で
冷静さを失い、“君”を追いかけていく。
たとえ“僕”が“君”にとって近しい存在であろうと、遠い存在であろうと、答えが“NO”であることは過行く時の中でわかっていました。

さよなら僕の かわいいシロツメクサと
手帳の隅で 眠り続けるストーリー
さよなら、“僕”のかわいい幸運の女神。
手帳の隅には“君”との架空のストーリーが書き記されていますが、もう読み返されることのないストーリーになりました。

風に吹かれた君の 冷たい頬に
ふれてみた 小さな午後
最後に“君”の頬に触れると、風に吹かれて冷たくなっていました。
そんな、とある日の午後の出来事でした。

「風に吹かれた“君”の冷たい頬」は、“君”の頬(つまり口から)発せられた言葉が妙に冷たく感じたという比喩的表現かもしれません。
その場合は、「“君”の本心にふれてみた」ということになります。

シロツメクサの別名はクローバーで、花言葉には「約束」「幸運」「私を思って」「復習」の4つがあります。
そして四葉のクローバーの花言葉は、「幸運」「私のものになって」の2つです。
「“僕”のかわいいシロツメクサ」は、おそらく“君”のことをシロツメクサに喩えているものと思われます。
しかし「私のものになって」の花言葉で考察した場合、「“僕”の恋人になってほしい」という“僕”の想い自体が稚拙だった(=かわいい)ので、「“僕”のかわいいシロツメクサ」と表現しているのかもしれません。
そしてその想いは、手帳の隅に書き記された架空のストーリーとともにサヨナラしたということになります。

イチャイチャしたいと空想していることから、「性」の要素が少し見える失恋ソングです。

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