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スピッツ歌詞考察(第44回)謝々!


【基本情報】

謝々!
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&棚谷祐一
5分22秒

<リリース日>
1998年3月18日(18thシングル)
※「冷たい頬」と両A面シングルとしてリリース。

<収録アルバム>
フェイクファー(1998年3月25日リリース 8thオリジナルアルバム)

<備考>
女優の杏が、2010年11月10日リリースのアルバム「LIGHTS」でカバーしている。

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

歌詞は下記のサイトでご確認いただけます。

【考察】

終わることなど無いのだと 強く思い込んでれば
誰かのせいにしなくても どうにかやっていけます

「命を奪われるほどのことではない」と思えば、誰かを責めたりしなくてもどうにか生きていける。

やり直しても良いのです 今度は一人ぼっちでも
記号化されたこの部屋から ついに旅立っていくんです
一人ぼっちになってしまったとしても、人生やり直すことはできる。
自分の殻に閉じこもっていたけれど、ついに脱出することができそうだ。

いつでも優しい君に 謝々!!
大人も子供も無く
誰にでも分け隔てなく、いつでも優しく接してくれる“君”に感謝!!

涙でごまかした 意味もなく抱き合う僕ら
今ここにいる woo…
照れくさくて素直になれず、涙でごまかした。
そして自然と抱き合う“僕ら”。
今、生きていることを実感している。

生まれるためにあるのです じかに触れるような
新しいひとつひとつへと 何もかも悲しい程に
この命は、新しく生まれ変わるためにあるのです。
新しい希望や悦びや楽しみなど全部を、どうしようもないくらい実感できるように。

あくまで優しい君に 謝々!!
赤い土にも芽吹いた
どこまでも優しい“君”に感謝!
“僕”の心は赤土のように花も咲かなくなっていたけれど、芽が生えてきたような気分だ。

大空に溶けそうになり ほら全て切り離される
鳥よりも自由にかなりありのまま
君を見ている woo…
大空に溶けそうなくらい、全てのしがらみから切り離された。
鳥よりも自由に、かなり素直な気持ちで“君”を見ている。

生まれるためにあるのです じかに触れるような
新しいひとつひとつへと 何もかも悲しい程に
この命は、新しく生まれ変わるためにあるのです。
新しい希望や悦びや楽しみなど全部を、どうしようもないくらい実感できるように。

あくまで優しい君に 謝々!!
赤い土にも芽吹いた
どこまでも優しい“君”に感謝!
“僕”の心は赤土のように花も咲かなくなっていたけれど、芽が生えてきたような気分だ。

大空に溶けそうになり ほら全て切り離される
くす玉が割れて笑い声の中
君を見ている woo…
大空に溶けそうなくらい、全てのしがらみから切り離された。
心が晴れて、笑い合いながら“君”を見ている。

一時期“僕”は、うまくいかないことを人のせいにしたり、まるで全てを記号化するかのように「これはこうで、あれはこうじゃないとダメ」といった感じで物事を決めつけたり、悲観的で心に余裕がない状態でした。
しかし、いつも優しく寄り添ってくれる“君”のおかげで、「もうお終いだ」などと考える必要はないと思えるようになり、心も晴れて自然と笑顔を取り戻しました。
つまり“君”は、つまようじでつつくだけで壊れちゃいそうな部屋から“僕”を連れ出してくれたり、ワケもなく頑固すぎたダルマにくすぐり入れて笑顔の甘い味を教えてくれた存在だということです。
(あれ、どっかで聞いたことあるようなフレーズだな?)

“君”への感謝が「ありがとう」ではなく「謝々!!」なのは、少し照れくさいからだと思われます。
心の底から感謝しているからこそ、余計に照れくさいのでしょう。
また、中国語で「(他人に対して)ありがとう」を意味する「謝謝」ではなく、「謝々」という表記になっているのは、中国語のその意味とはまた少し違うものという意味が込められているのかもしれません。

というわけで、テーマとしては「死」からの「生」になるでしょう。

ちなみにこの曲は、1993年4月から1997年までプロデューサーを担当した笹路正徳氏への感謝の気持ちを込めたものという都市伝説があるそうです。
信じるか信じないかは、あなた次第です!

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