G検定 AI 対 人間 チェス、将棋、囲碁

株式会社リュディアです。G検定対策としてゲーム分野における機械学習についてまとめてみたいと思います。

まずチェスからです。チェスで コンピュータが世界チャンピオンを破ったのは 1997年です。IBM の DeepBlue が成し遂げました。当時の世界チャンピオンはロシア人のガルリ・キーモヴィチ・カスパロフで15年も世界チャンピオンであり続けた最強の世界チャンピオンでした。カスパロフ本人もコンピュータチェスの開発に参画しており、以下のように積極的にコンピュータと対決しました。

1989年 カーネギーメロン大学が開発した DeepSort に2勝
1996年 DeepSort を引き継いだ IBMの DeepBlue と対決し3勝1敗2分けで人類の頭脳は最強のコンピュータに勝利したと報道された
1997年 DeepBlue と対決し1勝2敗3分けとなりコンピュータが世界チャンピオンに勝利と報道された

カスパロフは再戦を要求しましたが IBM のプロジェクトが終了してしまい再戦は行われませんでした。この戦績だけを見るとどちがが強いと結論づけるのは微妙な感じもしますがコンピュータが世界チャンピオンに勝利した、とセンセーショナルに報道されました。

コンピュータによるチェスの解法は1950年付近から開始されており、おおよそ50年の歳月をかけて人間の世界チャンピオンに勝利した、ということになります。ある日、急に強いシステムができたのではないということですね。

次に将棋です。コンピュータ将棋の研究が始まったのは 1970年前半と言われています。コンピュータ将棋のレベルが一気にレベルアップしたのは Bonanza(ボナンザ)の発表以降です。2005年に Ver 1.0 が発表され、プロの棋士からも強い将棋ソフトが生まれたと話題になったようです。その Bonanza をベースに東京大学将棋部に所属していた学生が開発したのが Ponanza(ポナンザ)です。Ponanza はプロ棋士を公開対局で破るといった実績で有名になりました。

その後さまざまな将棋アプリが開発されドワンゴ主催の将棋電王戦が実施されるようになりました。今は同じくドワンゴ主催の叡王戦(えいおうせん)が行われており棋界でも8番目のタイトル戦として認められています。

最後に囲碁です。囲碁はチェスと比べ差し手が圧倒的に多くコンピュータが人間に勝利するのは不可能と言われていたゲームです。日本の五世代コンピュータプロジェクトでも推論マシンを使った囲碁プログラムに関する研究が行われましたが、アマチュア5級レベルを目指した、ということで現在のレベルと比較できるようなものではありません。

囲碁の世界チャンピオンが AI囲碁ソフトに敗北したのは 2015年のことです。DeepMind 社AlphaGo が人間に勝利した最初の囲碁ソフトウェアとなりました。2016年には、李世乭との五番勝負で3勝(最終的に4勝1敗)を挙げ、さらに2017年には、柯潔との三番勝負で全勝しました。人間のトッププロに勝利したことをもって目標を達成したとしAlphaGo は人間との対局から引退しました。

また2017年には Deep Mind 社は AlphaGo Zero を発表しました。これは2つの AlphaGo Zero プログラム同士で対局させることで学習する、という方法で話題になりました。つまり過去の棋譜を学習させるのではなくゼロの状態から AlphaGo Zero 自身が学習したということになります。

同2017年に Deep Mind社から Alpha Zero も発表されました。これは AlphaGo Zero をより汎化させたものであり、囲碁、将棋、チェスのすべての分野で強力な AI プログラムとなりました。それまでのプログラムで一般的であったアルファ・ベータ探索ではなく、モンテカルロ木探索とディープラーニングを応用したものです。

今回は ゲーム分野におけるAIプログラム対人間についてまとめてみました。G検定でも1問は出題されるのではないか、と思います。用語を整理しておくことをお勧めします。

では、ごきげんよう。



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