悪趣味な ~ショートショート~
「ねえ。あたしといて、シアワセ?」
カレは答える。
「幸せだよ」
真っ直ぐに、あたしの目を見て。
カレはいつも素直に、率直に、あたしに答えをくれる。
微笑みかけて、唇を合わせる。
その勢いのまま身体を重ねる。
カレとのそれは、いつも最高に甘くて、あたしは何度も悦びに啼く。
そしてお互い満足して、脚を絡めて眠る。いつものルーティン。
眠りに落ちたカレの傍からそっと抜け出す。
「さようなら」
と、声に出せないまま。
終電はもうない。
タクシーを拾って、その中でひっそりと