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好きがどれだけ大事か知らない大人もいる

10代でいることのしんどさをあげるとしたら、いろんなことに気づいちゃってるのに、いろんなことを選ばせてもらえないことだと思う。
だから、選ばせてもらえる環境にある人は、これが好きかなという道をどんどん行けばいい。
行った先で、違うなと思ったらまた変えればいい。
よく誤解されてることに、一度選んだらもう変えられない、変えるのはカッコ悪い、みたいな考え方があるけど、それは変える必要のなかった人にだけ役に立つ価値観(1つのことに一生打ち込むのが素晴らしい)なので、自分はどっちかわからないうちは、信じなくていい。

困るのは、「これが好き」っていう感覚が、よくわからない場合。
それはもしかすると、好きを抑えなければいけない環境に長くいたかもしれない。好き、好ましい、イイ、萌え、そんな感情が少しでも芽生えたら大事にしよう。
快適、居心地がいい、安心、そんな気持ちも大事にしよう。
時には、好きなものが、快適ではない場所にあるかもしれないけど、そういう時に、危険を冒してまで欲しいなら、取りに行ってもいい。快適さの範囲が広がるかもしれないし、危険を冒しても得たものに価値を感じるかもだし。

人には本当にいろんなタイプがあり、いろんな価値観があるから、身近な大人が冒険を良しとしなくても、それはその人の価値観。10代は10年しかないから、虎視眈々と自分の意思を実現できるチャンスを狙っててね。
ここぞというチャンスに、本当にそれがやりたいんだ、欲しいんだということを真剣に訴えてみる。ダメかもしれないけど、真剣に伝える。うまくいく保証のないことを真剣にやれた時、相手にも本気が伝わる。たとえその機会に果たせなくても、次のチャンスにつながるかもしれない。
いったんは言いなりになっても、18歳とか20歳とかになればぐんとできることが増えるから、希望を捨てないで。
ただ、20年も制限の多い生活をしていると、なんだか自分の選択に自信が持てなかったり、罪悪感を持ってしまったり、失敗してひどい目にあうんじゃないかって不安になったりするかもしれない。それはあなたのせいじゃない。そのことを知っていたら、「そうか、これは自分のせいじゃないんだ。この環境だったからこういう反応になっているだけで、今は自由だ。大人だから」と唱えてみて。

好きっていう感覚を、どうか大事に育てていって欲しい。好きが大事だって知らない大人もたくさんいるから、どうか負けないで、そっと好きの芽を、苗を育てていってね。

写真は、高校生の娘に、イベントで余った折り紙をあげたら、youtube見ながら折り始めた作品。あっという間に、キレイなみたこともない(彼女が小さなころに折ったこともない)花やら恐竜やらができた。別に折り紙が好き!てわけでも恐竜が好き!てわけでもなく、「こういうことがわりと好き」なんだと思う。こういうのも、大事だから。何か役に立てなきゃ、打ち込む価値のあることにしなきゃ、なんて探さなくてもいい。こんな小さな、だけど手が動くこと、身体が動くこと、目がいくもの、心が惹かれること、をどうぞ大切に。

大人にもいろいろいて。知らないこともたくさんあって。言ってることが誰にとっても正しいわけじゃない。親も、先生もそのひとり。あなたは、いずれ大人になる。いろいろのうちの一人で、知らないこともたくさんあるままだけど、自分の好き、という感覚をわかるのはあなただけだからね。そして、「好き」はあなたを幸せにする。

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