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広州市にスマートごみ分別ステーション登場

《 福福の知りたい広州!vol.11 》

今回は、スマート技術を用いた「ごみ分別ステーション」についてご紹介します。

広州市初のテスト事業として、まず白雲区のコミュニティの一角に設置され、運用が始まっています。

『廣州日報』2021年4月19日

「用“智慧”助力广州垃圾分类~广州创新试点智慧垃圾分类投放 开创绿色环保生活~」などより「ごみ投入時間ではありません。ごみを投入しないでください!」

記者がスマートごみ分別ステーションに近づくと、ごみ捨てが可能な時間帯ではないことを知らせる音声案内が流れた。

白雲区に設置されたスマートごみ分別ステーションには、いくつものビデオカメラとセンサーが装着され、住民のごみ捨て状況をリアルタイムで記録する。また、手洗いシンク、手指消毒液、ハンドドライヤーなどの設備や、ごみ分類など豆知識を表示するLEDディスプレイなども設置されている。

白雲区の関係者によると、モニタリングされたデータはリアルタイムで一体型端末にアップロードされ、家庭ゴミの分別精度の統計や、住民のごみ出し状況を全面的に記録できるとのこと。

これらのデータは都市管理部門が収集・保管し、主にごみ出し状況の分析や広報・教育、法的証拠として用いられる。

スマート技術を用いた「ごみ分別ステーション」は、環境にやさしいまちづくりに有益な試みである。


【 福福より 】

白雲区では、その他のコミュニティでもスマートごみステーションの設置・運用が進んでいるとのこと。ごみの収集が適切に行われ、時間外にごみを放置する人も減ったため、生活環境が多いに改善されたと近隣の住民にも好評とのこと。

今回のニュースで、2019年7月上海で生活ごみの分別収集がスタートした頃を思い出しました。「鼻をかんだティッシュはリサイクルごみ?」「コロナビール瓶の中のライム(生ごみ)はどうやって取り出す?」など、ネット上はごみ分別の話題でもちきりでした。

ライチ局長、広州市の実際のごみ事情はいかがでしょうか?また、ごみ分別意識は既に定着しているようですか?

【 ライチ局長より 】

中国では、元々ゴミを分別するという習慣はあまりありませんでした。マンションやビルなどでは、ゴミを回収して分別する専門の人が雇われていることが多く、彼らは、ゴミの中から、リサイクルできそうなものや、回収して販売できそうな物を分別し、最終的に不要となる物だけをゴミとして出していたのです。そこには安い賃金で人を雇用できる中国の事情もあったと思います。

ただ、それでは環境意識は育たず、路上などで所構わずゴミを捨てるような人も後を絶ちません。こうしたことに対する問題意識や世界レベルでの環境保護意識の高まりを受け、中国でもゴミ分別に対する教育や制度改革が進んでいます。

福福さんが取り上げている通り、2019年に上海でのゴミ分別が始まった際には、その厳しさから日本でも話題になりました。通常、それぞれの住宅は社区と呼ばれる町内会のようなコミュニティに属しています。政府がゴミ分別を始めた際には、こうした社区などにゴミ分別の担当者を置き、厳しくゴミ出しを監視させたのです。これに、ゴミ分別に慣れていない市民が困惑した…、という話でした。

中国でのゴミ分別で日本と異なる点は、「生ゴミ」を分別するところでしょう。分けられた生ゴミは、処理場に送られ、メタンガスなどを取り出して有効活用し、有機肥料として再利用されます。マンションのゴミ出し場には「生ゴミ」を出す場所があり、当たり前ですが生ゴミ以外を出してはいけません。また、ゴミを出せる時間もしっかりと決まっています。

最近は、デリバリーで食事を宅配してもらう人も増えておりますが、プラスチックの容器に油などの食べかすが残っていることが多く、これを容器と食べ残しに分けてゴミを出すのは、手が汚れ、面倒臭く、また人の目もあるということで、ストレスを感じる人もいるようです。

そのような背景があって、福福さんの取りあえげた記事のスマートごみ分別ステーションには、センサーなどとは別に、手洗いシンク、手指消毒液、ハンドドライヤーなどの設備が備えつけられているということなのでしょう。

なお、今年から、広州市では、ゴミ分類に違反した個人に対する罰金が最高で500元(約8,500円)に引き上げられました。それをセンサーで監視したり、それを記録されて罰金を請求されたりするのは、さすがに息が詰まるものです。

こうした白雲区のスマート技術を駆使した取り組みがどの程度まで一般化されるのか分かりませんが、そうした取り締まりが必要ないくらいに環境意識が高まり、市民が自発的にきちんとゴミ分別ができる環境社会が実現するのが一番ですね。

※以下の画像は、広州市内マンションのゴミ出し場所。記事とは関係ありません

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