見出し画像

児童養護施設の子の、担当職員さんに対する想い

こんにちは、ヨウです。

今回は、職員さんに対する気持ちについて、私の経験を踏まえて解説していきます。よろしくお願いします。



1.子どもたちは、大人を試す

子どもたちは、親と一緒にいられないという実害を、すでに被った状態で施設にやってきます。それに至るまでの間、少なからず一度は、大人に裏切られた経験をしています。つまり、施設の子は、そもそも大人に対して不信感が強いのです。

大人に対して「こいつは信用できるのか?」と不信感のある子どもは、極端にベタベタ近づいて懐いたり、あるいは、口もきかないほどに毛嫌いしたりします。これを、ここでは、「試し行動」と表現することにしましょう。

試し行動には、適度な距離感がなく、0か100かの行動をとります。そのため、昨日はずっと職員にひっついて回った子どもが、あくる日は目を合わせすらしない、といった状況も起き得るのです。子ども自身が、愛着障害などによって、適切な距離感をわかっていないことも原因の一つです。そして、極端な行動を取ることで、大人のリアクションも顕著になります。これを見て、自分に対して今後どのような反応を見せるのか、知ろうとするのです。

また、試し行動をしている子どもは、「自分は、この人を信用できるかどうか、測っている。」という意識は全くありません。条件反射的に試し行動をしているのです。大人の行動をよく見て、自分が生きるためにどのような行動を取ったらいいのか、自分は従うべきか逆らうべきか、信用できるかどうか。これまでの生活で培ってしまった能力が、試し行動に集約されているのです。


2.職員には、嘘をついてほしくない

これは、子どもに関わる全ての大人が実践すべきことだと思っていますが、大人が一貫した行動を取っていることが、子どもの安心感につながります。子どもは、大人の姿を見て学びます。施設の子は、職員の一挙一動をしっかり観察していて、信用できないと判断すると、ひどく反抗したりすることが多いです。大人が信用を無くしてしまう大きな原因は「言っていることとやっていることが違う」「人によって態度を変えている」といった、大人自身の”ブレ”です。

特に、「やってあげる」と言って、「実はやっていなかった。」これが一番信用を失います。「今度、○○のおやつ買っておいてあげるね」とか軽く言っておいて、そのまま放置されているとか。「探したけど売り切れてたんだ。」とかフォローがないと、ヤバいです。こんな軽いことで?と思われるかもしれませんが、大切なことです。その時は、さらっと流している子が多いですが、何かトラブルがあったとき、子どもは、そのことを引き合いに出して「職員が私に嘘をついた!」「私のことを考えてくれない!」という気持ちに駆られます。そういう、小さな信用があるかないかは、心に傷を負った子どもにとっては大切な要素なのです。


3.職員には、「変らない存在」でいてほしい

前項を踏まえて、私が個人的に、施設職員さんにしてほしいことは、「いつまでも変わらない存在であってほしい」ということです。

人間は、様々な困難を乗り越えて、常に変化し続けます。ですので、「変らない」というのは、不可能な話です。私が「変ってほしくない」と思っているところは、「私に対する接し方」です。いつでも同じような接し方をしてほしい。これは、当たり前のようで、結構難しいものです。

子どもは年齢と共に、体の大きさ、立場、考え方が変わります。そうなれば、職員さんと子どもの関係性も変わってしまうのが、自然です。おそらく、子どもは、職員さんに対して、ちょいちょい何かしら試し行動をし続けるでしょう。しかし、そこで、変わらない扱いをされることによって、安心感を持ちます。変わらない対応から「ああ、この人は信用できるな」と思うのです。


終わりに

私がどうしてこのような記事を書いたのかというと、私自身、「感謝してもしきれない職員さん」と「もう二度と口も聞きたくない職員さん」がいるからです。前者は、施設にいる時、いつでも口うるさく指導してきた職員さんでした。後者は、気さくな話をいつもする、スポーツ好きな職員でした。当時は、どちらも同じように感謝していましたが、社会に出て、大人なになって職員さんと関わったときに、2人の違いは明確でした。前者は、私の頑張りを褒め、できていないところを叱ってくれました。後者は、こちらからした連絡をきちんと返すことすらしませんでした。

信用の問題は、大人にとって大切なことです。世のビジネスマンの方々は、信用の大切さは、私よりもよっぽど知っていると思います。子ども相手でも同じです。子どもにとっての信用は、仕事ができるとか熱意とかそんなものではありません。その人の言っていることがいつでも同じであることが、信用です。

こういうと、私は私のことを考えます。正直考えはぶれブレだし優柔不断だし、人に影響されやすいし、誘惑に弱いし、自分に甘いし、もういいところあんまりないんです。ああ、かなしい…。

でも、私が一つだけ心がけているのは、相手を理解しようと努めることです。相手を理会することは一生できないと思いつつも、相手の思いや考えを想像して、理解しようとするように頑張る。それだけは、自分の中でいつも大切にしています。

この記事を読んでくださった方も、自分の心を見直して、1つでいいので、「ブレない考え方」を持ってみてはいかがでしょうか。それが、自分自身を助けることになると知ったのは、つい最近の話です。

今日は、この辺で。


↓関連記事



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?