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#18 遠い星で、また会おう。

※この作品は、フィクションです。



 その日の晩、母さんが、浩介に入院することを話した。浩介は、割と淡々と聞いていて、「わかった。治療頑張ってね。」と言った。そして、いつも通りの一日が終わった。部屋の電気を消して、布団に潜り込むと、浩介が話しかけてきた。

 「母さんの入院、知ってた?」

 「まあ、知ってたよ。朝、母さんが俺に先に話してくれた。」

 「うつ病って、なに?」

 「俺もよくわからない。精神科の病気らしい。」

 「でも確かに、母さん、ちょっと前からおかしかったもんね。」

 「どこが?」

 「いままで、キレて兄ちゃんを外に放り出したりしてたじゃん。でも、吹奏楽し出したあたりで、そんなことなくなったし、むしろ、優しくなったというか。」

 「それのどこがおかしいの?」

 「今までと違うってこと。母さん、昔から負けず嫌いで、怒ることが多かったのに。急に優しくなったし、いや、その方がいいんだけど、なんだか気持ち悪いというか。だって、兄ちゃんの言ってることが変わったりしてないし。」

 「俺が吹奏楽し出して、母さんが変わったんじゃない?」

 「俺もそう思ってたけど、兄ちゃんが変わったわけじゃないし、いや、俺も良く分からないけど、気持ち悪い。母さん、何か隠してるんじゃない?」

 「考えすぎじゃない?」

 「そうかなあ。」

 そう言って、話をやめた。別に母さんが優しくなったことはいいことだけど、浩介が言っていることも一理ある。隠し事?いや、考えすぎだろう。


 モヤモヤした気持ちは晴れることはなかったが、考えないようにしようとするほど、頭に「母さんが何か隠しているのではないか?」という気持ちが沸き上がった。俺は、部活に熱中することで、それを忘れることにした。


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この物語は、著者の半生を脚色したものです。


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