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児童養護施設にいる子どもの特徴

こんにちは。ヨウです。

今回は、児童養護施設に入所している子どもたちの特徴について書いてみました。どうぞご覧ください。


1.児童養護施設には、どんな子がいるのか?

何らかの理由で、親と一緒に生活できなくなってしまった子どもが住む場所が、児童養護施設です。だから、児童養護施設に入所している子どもは、親から虐待を受けたり、親の養育能力がなかったり、親がいなかったりします。

私は、高校生になって入所しました。ある程度年齢が上がって入所したため、そこにいる児童にどのような人がいるか、割と客観的に見ることができていたのではないかと(勝手に)思っています。

結論を言えば、みんな、どこにでもいる普通の子です。変わっている子も多いとは思いますが、小学校や中学校に行けば、十分あり得る範囲です。普通の子どもと何ら変わりありませんでした。しかし、大人になって教育学を学んだ後、子どもたちの行動を振り返ってみると、入所児童にある程度傾向があるものだと思うようになりました。その辺についてまとめます。


2.大人を試す子ども

大人に対して試し行動をする子が多い。特に、小学生以下の子どもには顕著です。児童養護施設主催のキャンプにボランティアとして参加したとき、特に感じました。参加した当初、子どもたちは目新しい大人に対してべったりしたり、やたら嫌ったりと、大人に対する態度が極端でした。

基本的に、施設の子どもは、大人に裏切られた経験をしています。そんな子どもたちだからこそ、「この人は信用できる人なのか?」と試すために、少し過剰とも言える関わり方をしてくるようです。


3.低学力の子ども

私が高校時代に施設に入ったとき、「~~ちゃんは勉強ができる。頭がいい。」と言われた子どもは、その中学校の平均点を取ることができる程度でした。私は県内では割と名の通った県立高校に進学していましたので、入所当時、他の子から「勉強のしすぎ」と揶揄されたほどでした。

そもそも、施設にいる子たちは、自宅で学習に集中できる環境がなく、施設入所時にはすでに学力が低迷しているケースがほとんどです。また、勉強に集中する習慣や文化が身に付いていない子どもが集まれば、易きに流れ、どんどん勉強しなくなります。1人でも、志高く勉強する子ども(それも高校生くらいの子)がいれば、施設の子は勉強するようになりますが、それによって学力が上がるかどうかは別問題です。

学力が低ければ、子どもが目指した仕事に就くことが出来ない可能性もあります。日本は、(特に地方は)いまだに学歴社会です。そこで戦う武器を持つことが難しい子どもたちにとっては厳しい状況です。

職員さんも、専門は福祉であって、教育ではありません。学力向上は、社会的養護を受ける子どもにとって深刻な課題です。


4.発達障害に悩まされる子ども

近年、児童養護施設に入所している子どもの約20%が何らかの障害を抱えているという統計(厚労省)があります。「障害」と聞くと、なんだかきつい響きを持ちますよね。

「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害でのことを指します。定義が広いですね。そして、その症状が通常低年齢において発現することが特徴です。私も、軽度のアスペルガー症候群だと認知しています。診断はありませんが。

発達障害は、先天的なものです。実際、先天的に発達障害を抱えていることにより、子育てが上手くいかず、親が子どもに虐待を働くケースも少なくありません。

しかし、様々な虐待を受け、それが発達障害のような形で表出する子どもも多く存在します。厳密に言えば、これは発達障害ではないのですが、それを発達障害として認知されることもあります。それは、愛着障害と言えるでしょう。


5.愛着障害を抱える子ども

子どもは、0~6歳で、その後の長い人生の80%の能力を身に付けると言われています。施設にいる子どもは、入所時期はどうあれ、この時期に十分に愛情を注がれた経験をしていない子がほとんどです。そしてそれが、愛着障害というものを引き起こします。

「愛着障害」とは、親などの特定の養育者との愛着形成がうまくいかないことで現れる困難の総称で、はっきりとした診断基準はありません。また、発達障害に似た症状を表すこともあります。他人との距離感がわからなかったり、自尊心が著しく低かったり、過度に接触をしてきたりと、様々です。大人への試し行動が多くなるのも、このためだと思われます。

これは、児童養護施設のみならず、社会的養護に救われず、毒親の下で育った子どもにも表れやすいのです。ステップファミリー(血のつながらない父、母がいる家族)でも、起きやすい現象です。


終わりに~児童養護施設にいる子どもにできること~

児童養護施設にいる子どもは、多くの困難を抱えながら生きています。それも、全て大人の都合によるものです。子どもたちは一切悪くないのです。

私達大人が常々心がけなければならないことは、子どもに本気で向き合っていかなければならない、ということです。子どもはいつだって子どもでいたいものです。あなたと子どもが関わるその一瞬だけでも、子どもを子どもらしく扱ってあげてください。それが、将来子どもの心を支える”芯”になるかもしれません。


今日はこの辺で。


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