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卒業した大学院生は名もなきニート


大学院を修了した。

無事に修了したはずだけど、憎き感染症の影響で院生生活のうちの半分以上がオンラインでの授業になり、修論提出も審査も特にメリハリもなくヌルっとクリアした。

卒業式は断念したし、卒業証書もまだ届かない。正直実感がまだ湧かない。

さて次は就職だ、と職探しを始めたが今私は諸事情でオンラインでしか働けない。そうすると採用してくれる枠が非常に狭まりなかなか仕事に出会えず、結果ニートになっている現状。

どんなに学歴があってもひとたび大学を飛び出せば就職経験のないニート…辛い。

辛くても日々時間は過ぎていくので、実家に戻って親の脛をかじらせてもらいながら就職サイトとにらめっこしている。

空いた時間には料理を担当してレパートリーを増やしたり、部屋の片付けをしたり、観たかったドラマをたくさん観たり、院生の時に時間が足りなくて出来なかったことを取り戻すかのようにエンジョイしている。しているはずなのに…

今まで時間がないからと諦めていたことがたくさん出来て、締め切りのない安心感を謳歌しているはずなのにどこか満たされない。

時間ができたら読もうと楽しみにしていた漫画や小説もなんとなく読む気がしなくて部屋でいくつもの山を作っている。

恐らく私は大学が恋しい。研究がしたい。

在学中はあんなにしんどいだの苦しいだの大学院に進学する人達はマゾ気質だの思っていた(個人の見解です)はずなのに、そういえば一度もやめたいと思ったことはないなとふと思った。

山積みの課題に追われても。

必死に準備したプレゼンが終わった日からまた別のプレゼンの締め切りが迫っていても。

自分のスキルがクラスメイトに及ばなくて惨めな気持ちになっても。

教授からのフィードバックが辛口で自尊心がぺしゃんこになっても。

それでも学ぶことが面白くて研究が楽しかった。

教授の先生方は私が興味のある分野のスペシャリストなわけで、授業中にポロリとこぼす経験談や過去の研究内容もとても興味深かった。

事前に読んでおく論文も、教授陣が授業で取り上げたいだけあって私では思いつかないような観点のデータ収集や分析の宝庫だった(理論が難しいものばかりで苦労はしたけれど)。

軽々しい言い方かもしれないが、推しジャンルを共有している同志であり開拓し続けている先輩方(教授)と議論を交わせて、さらにイチ押しの作品(論文)を教えてもらえるなんて、

そんな幸せな環境にいたら楽しいに決まってるよなぁと改めて思う。

一度社会人になって研究以外のスキルを上げることと貯金を目的に学問の世界から離れたが、修士論文で取り上げたテーマを満足のいくまで深掘り出来なかったという思いがあるため、いつか博士課程に進む気満々でいる。

厳しくて優しい、あの心踊る世界に戻れる日が来るまで精進して生きていこうと誓ったよ…という10ヶ月振りの近況noteでした。仕事欲しい。

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