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腸内環境を整えるジャパニーズスーパーフード「お味噌汁」


野菜を効率的にとるために・・・

 こんにちは!
ラブテリカウンセラーの島田奈美です。ふだんは、クリニックで人間ドックや健康診断後の栄養相談を担当しています。栄養相談の時「日頃お食事で気をつけていることはどんなことですか?」と伺うと、「炭水化物を食べすぎないようにしています」という回答をよく聞きます。太らないために、米を抜いている、という方はとても多いのですが、よくよく聞くと、その代わり「お菓子は食べている」「お酒は飲んでいる」という方も…。
肥満は万病の元ですから、もちろん予防した方が良いですが、そのためにまず出来ることとしてお伝えしたいことは、炭水化物を減らして肉を食べるよりも先に「野菜をもっと食べましょう」です。当たり前のことと思われそうですが、実際とても大切です。
なぜなら、野菜に多く含まれる食物繊維は、腸内環境を整えるだけでなく、血糖値をコントロールして肥満を予防する働きがあるからです。

ですが、平成30年の国民健康栄養調査において、日本人の野菜の摂取量は目標の350gに届かず平均284.1gでした。ラブテリの過去の調査結果においても、91%もの方に不足傾向がみられ、その結果として便秘や肌荒れといった不調につながっていることが考えられます。腸は健康の要であり免疫力を高める上でも欠かせません。

図1

大きい画像で見たい方は、ラブテリのHPよりダウンロード可能です

(「2014年度」第1期まるのうち保健室報告書をご参照ください。)

サラダやお浸し、根菜類の煮物など野菜を使った副菜を1日5皿程度は欲しいところですが、汁物を活用するのもひとつです。

皆さんは、お味噌汁を飲んでいますか?

「味噌汁は朝の毒消し」「味噌汁いっぱい三里の力」「着物女房質に入れても味噌を煮ろ」など味噌汁や味噌にまつわることわざが多く存在することからも分かる通り、味噌汁は日本人にとって数百年も前から素晴らしい健康食という位置づけでした。


お味噌汁の栄養学

お味噌は大豆に麹と塩を加え、発酵させて作られています。大豆は「畑の肉」と言われる通り、人の体で合成できず食品からとる必要のある必須アミノ酸9種類をすべて含む良質たんぱく質源でもあります。発酵させることで大豆そのものを食べるよりも消化吸収がよく、発酵の過程でうまれた様々なアミノ酸により旨味が増すため、お出汁の旨味と相まって、一口飲むと誰でもホッとする…そんな心を穏やかにする日本人のソウルフードですよね。

さらに、具材を加えることにより、食物繊維やビタミンなど栄養価がアップします。お味噌は腸内環境を整える発酵食品であり、お味噌汁にすることで食物繊維・マグネシウム・良質脂質など腸活に欠かせない栄養素をバランス良く摂ることができるのです!

お味噌汁のバリエーション

お味噌汁の具材は何でもよく、豆腐・野菜・きのこ・海藻 ・イモ類といった植物性の食品はもちろん、肉や魚を入れても美味しくまとまる懐の深さがあります。

難しいことを考えず、その時期に出回っている旬の素材を組み合わせれば、四季折々の季節感を手軽に感じることができるのも魅力です。


和食のイメージが強いかもしれませんが、バターや豆乳、牛乳を加えてもコクが出て違った味わいを楽しめます。
トマトやオリーブオイルを少し入れたアレンジも美味しいですよ。


野菜たっぷり具沢山の田舎風お味噌汁にすれば、それだけで副菜も兼ねられるボリュームになりますから、忙しい朝の時間や、遅い時間帯のお夜食に一品添えるのもおすすめです。


塩分が気になる方もいらっしゃると思いますが、ラーメン一杯で6g前後に対しお味噌汁に含まれる塩分は1杯1.5g前後です。1日1杯程度であれば、野菜や海藻類、発酵食品を摂るチャンスとしてお味噌汁のメリットは高いと言えるのではないでしょうか。


お味噌を手作りしてみよう

寒さが本格的になる小寒から大寒、そこに自粛期間も加わったこんな時こそ、おこもり美容ならぬおこもり味噌づくりを楽しまれてはいかがでしょうか。我が家では毎年2月に5キロほど味噌を仕込みます。


材料は、いたってシンプル。

大豆・米麹・塩・水、以上です!

作業工程も非常に簡単で、柔らかく煮た大豆を潰して、塩と麹と混ぜて8ヶ月ほど発酵させれば完成です。

味噌団子を作る工程は、粘土遊びや砂遊びの延長で小さいお子さんでも楽しく作業できると思います。
麹の量を増やせば甘い味噌になりますし、塩分濃度も自分好みで決められるのが手作り味噌の良いところ。(塩分濃度は10〜15%がおすすめです。減塩にしすぎるとカビやすくなります。)
一年中いつ作っても良いのですが、寒い時期に仕込み、夏を越すことで、気温と微生物の働きがマッチし発酵がうまくすすむでしょう。

なによりも自分でつくった「手前味噌」は格別ですよ。

詳しい作り方については、ネット等で調べられると思いますので、よかったら、この冬手前味噌作りにチャレンジしてみてくださいね!

\私が記事を書きました/
島田 奈美(しまだ なみ)
管理栄養士/ラブテリ公認カウンセラー。健診クリニックでの栄養相談、復職支援プログラム栄養学講師、専門学校の非常勤講師 他

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