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筋肉を落とさない食事〜Luvtelli保健室の結果から〜

こんにちは。ラブテリ/研究解析チームの奈良岡です。
今年は在宅勤務や様々な活動の自粛で、すっかり体力が落ちてしまったという方も多いのではないでしょうか。

今回は、これまでにラブテリ保健室で調査をしてきた結果から、足の筋肉量が多かった人の食事の特徴をご紹介します。

そもそも足の筋肉が重要なわけ

体全体の筋肉量を100%とすると、足には70%ほどの筋肉があります。
筋肉は身体を支えたり、収縮することで身体を動かす役割があり、筋肉を動かす時には多くのエネルギーを必要とします。この筋肉が落ちてしまうと、エネルギーを燃やす場所がなくなってしまうので、代謝が落ちて太りやすくなります。こうなってしまうと、見た目がスリムでも体脂肪率が高い”隠れ肥満”になりやすく、将来的に病気のリスクが高まるだけでなく、卵巣機能の低下にもつながります。
また、100歳を超えて元気な人は、足の筋肉が年齢の平均値より高いということが分かっています。しかし、残念ながら筋肉は年齢とともに減ってしまうのも事実です。人生100年時代と言われる今、いつまでも美しく元気で活動をするためには、運動のみならず、筋肉が落ちにくい食生活を続けていくことも大切です。

脚点とは?

ラブテリ保健室では、体重に対する理想の足の筋肉量を100として、個人の足の筋肉量を評価する「脚点」を足の筋肉の指標としています。いわば、足の筋肉の偏差値のようなもので、高い方が足の筋肉量が多いということになります。今回の結果では、脚点が100以下のグループでは体脂肪率の平均値が29%であったのに対して、100以上のグループの平均値は23.9%でした。つまり、足の筋肉が多い方が、体脂肪率は低く、引き締まった体ということになります。
では、この脚点が100以上ある人の食事の特徴とは?

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脚点が高い人は和食の傾向!?

タンパク質には、肉・魚・大豆・卵、乳製品の5種類がありますが、脚点が100以上あるグループは、動物性・植物性どちらのタンパク質の摂取量も多く、特に、レバーや脂がのった魚、ツナを多く食べているという特徴がありました。筋肉をはじめ、身体はタンパク質でできているので、材料となるタンパク質をしっかり摂れている人は、やはり足の筋肉を維持しやすいということでしょう。お肉を沢山食べると太るというイメージがあるかもしれませんが、引き締まった体にはお肉やお魚が欠かせないのです。

また、脚点が100以上あるグループは、カルシウムやマグネシウムといったミネラルや、ビタミンB群、ビタミンD、魚に多く含まれるω-3系脂肪酸(良質の脂質)も多く摂取していました。ミネラルは、桜えびやしらすなど骨まで食べられる魚に多く含まれ、マグネシウムは豆腐や納豆といった大豆製品や玄米、アーモンドなど、茶色い食品に多く含まれます。また、ビタミンDは、いも類、きのこ類、魚介類に多く含まれています。

このように、足の筋肉が多い人は、魚、きのこ、大豆製品、いも類といった、和食に多く使われる食材を食べていると同時に、洋食ランチの代名詞でもあるパスタ類の摂取量が少いという特徴もありました。

和食は世界的に見ても、長寿食と言われていますよね!
スリムな体型を保ったり、年齢を重ねても活動的に過ごすために、今回ご紹介した食材を取り入れてみると良いかもしれません。
お惣菜を買うときに意識してみたり、外食の時に選んでみたり、自炊する時に選んでみたり!まずは自分のできるところから始めてみてくださいね。

参考文献
・Jorge Chavarro, Walter C. Willett, Patrick J. Skerrett, 志馬 千佳<監修>. 妊娠しやすい食生活 ハーバード大学調査に基づく妊娠に近づく自然な方法. 日本経済新聞出版 2013 ISBN-10: 4532605342

・ Yoshikazu YONEI, Wakako TAKABE. Aging Assessment by Anti-Aging Medical Checkup. HEP Vol.42, No.4, 459-464. 2015

\私が記事を書きました/
奈良岡佑南 博士(医学):大学にて細胞を使った基礎研究から女性アスリートのコンディショニング研究まで、スポーツ・栄養・健康を軸に研究してます。


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