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書籍『男の子でもできること:みんなの未来と願い』

国際NGOプラン・インターナショナル(文) 金原瑞人(訳)
2020 西村書店

タイトルからして素晴らしい本。
数々の写真に透けて見える、表情豊かな子どもたちの写真。
そこに添えられた文章がいい。
金原瑞人さんの訳がいいからすうっと入ってきて、考えさせられる。
最後に、上野千鶴子さんの解説が全体をまとめあげる。

男の子「でも」できること。「だから」ではなく、「しか」ではない。
女の子「だけ」ではなく、男の子「でも」。そこに希望を灯そうとする素敵な本だ。

この本に書かれていることを理解できるようになるには、少し時間がかかるかもしれない。
後からわかってくることもあるだろう。
最初は母親が読んであげるのだろうか。父親が読んであげると、それはとても素敵だと思う。

母親だけではなく。
姉妹たちだけではなく。
未来の伴侶や、娘や、孫娘や。
隣人や、遠くの人が。
どこかで今まさに押しつぶされそうになっていることを、男の子たちにも我が事として知ってもらいたい。
そこに、男の子たちでもできることがあることを教えてくれる。

いつか未来に必要なくなるまで、図書館や待合室、いろんな場所に置かれてほしい本だ。
そして、いつか必要なくなってほしい。過去の出来事の記録になってほしい。

書影は、#NetGalleyJPより、拝借した。
最後に、プラン・インターナショナルについても少し紹介しておきたい。
世界中の女の子を支援するNGOだ。援助の仕方にバリエーションがあり、ひとりの女の子を継続的に支援し、手紙を通じて交流するというプラジェクトを持っている。
単なる寄付を越えて、遠い国の女の子の親になる。そういう夢を叶えてくれる活動を行っていることを、ぜひ、知ってもらいたい。


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