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【逗子日記】 20230726

 受付終了の5分前に駆け込んだ待合室は、静かだった。正確な時刻を感じる無菌室。
 滅多に使うこともない自転車を全力で漕いで、僕は、身体の痛みを振り払うような瞬間を、あまりにも高い鼓動に感じた。
 軒先と軽トラの間に見える夏空は狭かった。しかし誰よりも深く見つめたかったその風景に、僕はメガネを外してみたりした。
 一杯のアイスコーヒーを飲むために、僕はコンビニを目的地に、さっき走った大通りをまた全速力で駆け抜けていった。
 薬局の整理番号が手渡しであったことを、同じ薬の説明を何度も受けたことを、コーヒーマシーンの挙動から思い出すほどだった。
 君は家を出た。

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