【詩】 独房の歌声
雲の中で雷鳴が暴れ出す。
しかし煙が音楽を邪魔することはない。
音は遠ざかり、そして消えて光る。
地を目指す光が音楽の邪魔をするのだ。
雨は恵だけで良かった。
止むべきではなかった。
遥かに続く音楽が鳴っているだけで良かった。
地に届く静寂の光は見られるべきではなかった。
全てはあまりにも近くにあってしまった。
眠りの中ですら全ての目が開いていた。
希望を落としているように見えるだけで、
全てがいつも近くに見えているだけだ。
誰にも守られない遠さで、
どうして暗闇を避けようとする。
隣にいるおまえのことを、
抱きしめてあげたいだけなのに。
どうしておまえが、
見えるようになってしまったのだろう。
おまえのような目で。
煙たい世界で閉じられた場所で。
愛の灯で、音が燃える、夢の中で、現れた目で、
音はまだ燃えている。雨は降り続いている。
暖炉の前で、どうなろうとしても、
おまえの声を聞くことはできなかった。
マルテ・ラウリス・ブリッゲたちへ
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