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【随想】旅に出る者を案ずる者

「人生は旅である」とは松尾芭蕉が死の間際に言った言葉である。

しかし、これは団体旅行でも家族旅行でもない。

全員が望むと望まざるにかかわらず
出発時間の違う個人旅行に出ている。

それ故、他人の旅の記録は参考になれども同じ行程を同じように行くことは決してできない。

そのときの天気も違えば、出会う人も違う。

それが原則である。

だから、自分で決めねばならない。

そこに、優しさの仮面を被ったアドバイザーが現れる。
旅立つ勇気のなかった人たちが妬みから口を挟んでくるのだ。
本人も妬みとは気づかないまま言うものだから始末に負えない。

本当の「旅人たち」はまず旅に出ることを祝福するものだ。
そして、旅に必要であろうものを共に考え、
旅の無事を願うのが「嗜み」ってものだと思う。

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