【随想】五感
最近暖かくなって来て、庭仕事が楽しい季節になって来た。
朝、庭に植えた作物に水をあげる。
朝日が心地良い。
曇りの日は気持ちもいまいち。
毎日、植物が成長を見せてくれるので、それだけで嬉しい。
雨の日の次の日は、雑草が伸びる。
それを抜いたり、刈ったりする。
忌まわしいだけだった雑草の成長も、
時々ではあるが、愛おしく感じられるときがある。
雑草が陰を作り水分の蒸発を防いでくれる側面があると気づいたからかもしれない。
色々と試行錯誤したり調べたりするうちに適切な管理が朧げながら見えてくる。
殆ど、たんぽぽとスギナの土地だったが、雑草の種類も増えて来たような気がする。
否、自分が目を向けるようになったからかもしれない。
雑草も面白い。
ハクセキレイが敷地内に巣を作ってくれた。
こっそりと雛を覗く。
暗い中でも黄色いクチバシがはっきり見える。
これなら親鳥もエサをあげやすい。
よく出来ているなと思う。
10分くらいの間隔で親鳥がエサを持ってくる。
自分が動線上にいると、巣にいけないらしく、ウロウロして、「ピピッ」と雛に来ていることを知らせたりしている。
可哀想だから避けてあげるようにしている。
日陰、日向、乾いたところ、湿ったところ、多様な環境を作ると植物も動物も種類が増えることを実感している。
もうこれは、「生」でないと味わえない感覚だ。
映像や本では、五感の中の視覚と聴覚、それも二次的なものしか味わえない。
肉眼で見て、直接聴いて、そして、嗅いで、触って、時には舐めてみないと分からない。いや、それでもまだ分からないから、本やスマホに戻って調べる。
首筋に太陽が照り付ける暑さや汗、色んな草や実の味、葉っぱの匂い、味。
土の触り心地やスコップで掘った時の重さや抵抗。
それは人間同士でもペットでも同じ。
匂い、触り心地、味
言葉で書くと書ききれない情報が五感から伝わってくる。
五感を大切にしたい。
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