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【ショートショート】大輪の水

A:あ、暑い…。
こんな日はプールにでも行きたいな。

B:最近出来た、「ジャンピングウォータースライダー」行ってみるかい?

A:なんでも良いから、行く。

A:これが「ジャンピングウォータースライダー」か。
普通のやつと変わらないみたいだけど。

B:最後終わったところが見えないように作ってある。なんか、隠してあるっぽいのがそそるわ。

説明係:こちらから螺旋状に滑り下りていって、
最後に真ん中に落ちて、終わりになりまーす。

B:凄い悲鳴が聞こえるし。

A:なんか、霧というかしぶきみたいので下まで見えない。
どれぐらい「ジャンピング」するかわからん。
スリル。

係員:次の方どうぞー

A:じゃ、俺いってくるわー。

係員:次の方どうぞー

B:は、はい…

ただただ螺旋状に滑り下りてゆくウォータースライダー。距離は普通より大分長く感じる。

どんどんスピードが上がってゆく。

悲鳴が少しずつ大きくなってくるとともに、
聞き慣れない異音も大きくなって来た。

思わず下を見ると、人が滝のようなところから落ちていくのが見え始めた。

しぶきで見えなかった滝壺が見え始めたと同時に、異様な光景が広がっていた。

そこは、滝壺を中心に真っ赤な大輪の花が放射状に咲いているようだった。

滝壺に人が落ちた瞬間、信じられないような悲鳴の後に「ぐしゃっ」という異音がなり、また、鮮やかな赤い花が咲いた。

それを水が洗い流してゆく。

また、人が落ちた。悲鳴。異音。赤い花。

次は、Aの番。

そして、その次はBの番。

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