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第5章 緊急入院

わたしはベッドにいた。

部屋が空いておらず、相部屋で不正出血やお腹の赤ちゃんに不幸があったひとたちなどが入院していた。

わたしのベッドのとなりの夫婦は、泣いていた。

ごめん、産んであげられなくてごめん

と泣いていた。


明日は我が身と胸がキリキリ痛んだ。

わたしはというと、あれから数日後また不正出血があり止まらなくなった。

すぐに病院にきてと先生に言われ、エコーの結果「赤ちゃんの動きが悪いから入院して安静にしてて下さい」といわれた。

この日は夫も赤ちゃんが心配で来ていた。

となりの、カーテンごしにすすりなく夫婦の声を聞きながら夫は深刻な顔をしていた。

いままで妊娠したら産まれるのが当たり前田のクラッカーだった夫は、それは当たり前ではないという現実を体感しているようだった。

当たり前のことなど、なにもないのだ。

病院は退屈きわまりなかったがトイレ以外は動かずに、胎動もなくなっているお腹をさすり続けた。

どうか産まれてきてくれますように…

それだけを願った。

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