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『オーロラと狼』掛け合いセリフ台本④ 狼とホッキョクギツネ

⬇️⬇️⬇️以下は、配信アプリREALITYでの企画、掛け合いセリフ枠『オーロラと狼』のためにラパスが書き下ろした台本です。

《台本の利用は、「使わせて頂きます!」と事前にご連絡頂ければ、問題ございません。(是非私も聞きに行かせてください♫) 商用利用に関しては、事前に御相談下さいませ。》

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台本① 狼と犬
台本② フェンリルとテュール
台本③ 見送りの歌
台本④ 狼とホッキョクギツネ(このページ)
台本⑤ 二頭の足跡
台本⑥ 眠る森

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A: 群れを率いる狼。常々Bを疎ましく思っていた
B: 獲物のおこぼれを狙って、Aの群れの後をついてまわるホッキョクギツネ

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A「はっはぁ!やっと捕まえたぞ……この忌々しい狐っ子が!」

B「ひぃーーーー!お、お許しをぉーーー!!」

A「やれやれ、お前のような命知らずは初めて会う。おっと暴れるなよ?この大層な尻尾がちぎれても知らんぞ」

B「ひいいいいっ!すみませんすみません!い、命だけはっ!ああああの立派なヘラジカを、仕留めたところじゃないですかっ!まだあったかいじゃないですか!わ、私なんか食べるより、あっちの方がよっぽど美味しいし食べごたえがありますってぇ!」

A「当たり前だ!そのおこぼれに預かろうとしているくせに……この盗人野郎が!言ったよなぁ?今度俺の群れの周りをうろついたら、その白い毛並みを血で真っ赤に染めてやると」

B「うひぃいいいいいいごめんなさいぃいいいい!うぅぅぅ、だってあなたの一家、狩りの成功率高くてぇ……うっうっ、大型の奴らの肉、ネズミより美味しいんだもん……」

A「ちっ、味を絞めやがって……これだから残飯あさりを狙うヤツらは嫌いなんだ……。いいか、そこを動くなよ?俺の子供たちに全身をバラバラにされたくなかったらな」

B「はっ、囲まれてる!?ひぃいいい……」


–––SE 肉を食いちぎる音、ドサリと落ちる音


A「それを持って、とっとと失せろ」

B「……へ?」

A「それだけあれば、その身体なら暫くは持つだろう。全く……雪に紛れるその色で、物欲しそうに近くをうろちょろされてはうっとおしくて叶わん」

B「だ、旦那ァ……」

A「おっと勘違いするなよ?これっきりだ。二度とは施さん。今度見かけたら容赦なくひと噛みで首を折る。……そもそも、俺たちを嗅ぎ当てる鼻と、追いつくだけの足があれば、ネズミ以外も狩れそうなものだがな」

B「あなた方の牙と身体と力は、ありませんてぇ……」

A「知るか!いいからとっとと行け!落ち着いて食事も出来ん」

B「あ、あの、旦那……」

A「なんだ?とっとと失せろと言ったのが聞こえなかったか?礼などいらん。俺がゆっくり食事を楽しむためだからな」

B「い、いえあの、えとその……へ、ヘラジカの肉頂けるのは凄く、すごくありがたいんですけれども……えと、ちょっと大きくてですね……運んでいくのは……ちょっと……難しいかと……」

A「……っこれだから小動物は!」


Written by ラパス

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【解説】オーロラを動物と関連付ける伝承はいくつかありますが、残念ながら、狼とオーロラを直接的に繋げる伝承は見つかりませんでした……。

しかし同じイヌ科の動物、ホッキョクギツネをオーロラの製造主とする伝承ならあります。

フィンランドではオーロラを『Revontulet』と呼ぶそうですが、これを英語に訳すと『firefox』、文字通り『炎の狐』です。

(※因みにかの有名なブラウザ、Firefoxはフィンランドとは無関係で、赤い狐に見えなくもないレッサーパンダの別名から取ったそうです)

フィンランドでは、素早く雪上を駆け抜けるホッキョクギツネの大きなしっぽが雪の粉を巻き上げ、これがオーロラになると伝えられているそうです。

別のバージョンだと、空を駆けるホッキョクギツネのしっぽが山を掠め火の粉を散らし、これがオーロラになると語られています。

実際に生息域が重なることもある、そんなホッキョクギツネとオオカミがもし関わったら……と想像力を膨らませて書いたのがこの台本でした。

【台本画像/PDF】


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台本① 狼と犬
台本② フェンリルとテュール
台本③ 見送りの歌
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台本⑥ 眠る森

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