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褒められた話も記しておこう

今日は嬉しいことがあった。上司から「いま5分だけ話せる?」とチャットが入り、すぐビデオコールすると、興奮した様子の彼女の顔が画面いっぱいに映った。アメリカ出張へ飛び立つ直前に、どうしても私に知らせておきたかったことがあるという。

私とギリシャ出張をともにした社内関係者と上司とがキャッチアップをした際に、その社内関係者(Sと呼ぶことにする)から極めてポジティブなフィードバックを受けたというのだ。なお、上司は今回同行していなかったので、私の出張中での振る舞いは、人づてに知るしかない。

曰く、

  1. 私が常に、Sの行動に先んじて動いており、10分前行動で有名なSよりもさらに早く集合して、なんならSを急き立てるくらいのせっかちぶりだった。

  2. 事前の準備段階での私は、Sからは自信がなく頼りなく見える場面があったが、出張先での私は自信に溢れ、率先して行動しており、その姿に驚かされ頼もしく映った。

  3. Sと私は出張工程の7割くらいを一緒に過ごすことになったが、やや偏屈・頑固で人を選びがちなSにとって、私は快適な旅のパートナーだった。

  4. Sの想定を裏切って、私が意外にもビジネスを理解しており(笑)、鋭い質問を繰り出して有意義な会話ができた。一度アドバイスしたら、私がそれをすぐさま取り入れて軌道修正した。

興奮冷めやらぬ上司から、具体的な描写を交えて他にも色々コメントを教えてもらったが、「え、そんなとこまで見てた上に共有されたの」と笑える内容なので、ここでは上記までにとどめておく。


では、なぜ、それぞれのポイントがSにはまったか、解説してみよう。

解説① 時は金なり
Sは出勤にしろ会議にしろ、必ず予定時間よりかなり早くスタンバイしていることで有名だ。多くの同僚(主にイギリス人、アメリカ人、ヨーロッパ人)は、たいてい予定時間より遅れて来る。約束の時間ピッタリに来たとしても、Sにとっては「You are late」という評価だ。

そこに来て、Sよりさらに早い時間に到着して、準備万端で私が待ち受けているものだから、Sの方が遅い、という非常に稀な経験をしたわけである。 
 

解説② 立ってるものはなんでも使う
プロジェクト会議をファシリする私の自信のなさは、私自身でさえも不安になるレベルだ。Sからの信頼の厚い上司や、優秀な前任者に比べたら、私なんてヘッポコだろうなとは、私が一番わかっている。

しかしその分、プロジェクト全体を満遍なく見渡しているのは私だ、という自負を抱えて、かつ自分が動かないと誰も動かねぇ!という危機感とともに、出張先ではあちこち奔走する。
スマートとは程遠い、不格好な様子だと思うが、人見知りしがちなSにとっては、私が片言ながら目的達成のために誰彼構わず話しかけにいく姿がギャップに見えたのかもしれない。

解説③ 一人旅オタク
Sと私は少し似ている部分があるようで、私も偏屈で偏食系なので、お互いのリズムを尊重して足並みが揃えられたのはラッキーだった。

沈黙を尊重して気配を消し、適度に別行動を提案し、人混みを避け・かき分けながら最短距離で移動し、周りを観察しながら最も快適な居場所を見つける…
お互いに何時間も飲み食いしていないタイミングで、スペアの未開封ボトルをすっと差し出したり、腰が痛いというSに秘蔵の湿布(日本製)を丸ごと献上したり、ベジタリアンのSにも選択肢のあるレストランに誘ったり、社交の場を避けて食事を取れるオプションを示したり、Flightraderを駆使して飛行機の運航状況をリアルタイムナビしたり…
私がふだん造作なくやっていることとの相性が良かった。

解説④ ビジネス環境の理解
同じ会社なので理解していて当然と思うかもしれない。しかしグローバルでは特に、部門・担当者ごとの業務範囲が明確である一方、知識がサイロ化しがち。包括的な視野を持ちにくく、部門に特化した知識はキャッチアップが難しい。

そこに来て、私が知りたがり・首突っ込みたがりということと、日本法人時代に蓄積した知識が役立ったということから、どうも評価されたらしい。


日々、凹んでしょげて、の繰り返しであるが、今回のように褒められて嬉しいこともあると、また頑張ろうと思えるのである。

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