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1ポンドは100円感覚

2023年5月22日現在、GoogleのGBP / JPY 換算によると、1英ポンドは日本円にして約172円。
わわ、160円を超えるか超えないかの瀬戸際で、日本円をいつ英ポンドに換金しようか迷っていた年始の悩みが可愛らしく思えてくる。

渡英にあたり、国際引越や国内移動、家探しから賃貸契約まで個人負担という条件だったため、生活必需品を買い揃える日々も加わり、日本円の貯金が面白い(恐ろしい)ほどに目減りしていった。
英ポンドで給与をもらい、日々の生活やわずかながらの贅沢も英ポンドで完結できるようになると、日本円をほぼ使わなくなった。これは精神衛生上、とても良い。

ところで、海外在住者が日本への一時帰国時に、外貨に対する日本円の安さゆえに、外貨で支払った飲食費や娯楽費が、本国で同じ目的に使うよりもずっと低く抑えられていることを驚くようなSNSをよく目にする。私はこれらの投稿を見る度に、なんとも言えない居心地の悪さを感じる。

私も日本に一時帰国をしたら、英国で消費するよりも安い値段で品質の良いサービスや食べ物に感動すると思う。けれど、それを「たった◯◯ポンドだった!」と声を大にして言うのはどうも憚られる。

感動はわかるけれども。
そこには、「外貨で払っていることに対する優越感的なにおい」を感じ、「安い値段で高い品質を保っている企業努力あるいは労働への哀れみ」を嗅ぎ取るからかもしれない。私がひねくれてるだけかしら。

かくいう自分は、物価指数はなるべく現地の肌感に合わせ、日本円換算しないようにする。たとえEU圏内でユーロで払ったとしても、価値はなるべく英ポンド換算しない。
1ポンドを使う感覚は、日本でいうと100円くらいを払う感覚で、1ユーロも1ドルもしかり。全体としていくらキャッシュを持っていて、そのうちのいくらを使うか、という視点で買い物するようにしている。

とはいえ、クリスピー・クリーム・ドーナツのプレーンドーナツたった1個を日本円のクレカで払ってしまい、請求書に600円の見つけたとき「これならミスドのドーナツ3個買えた」と悔やんだのも私ですけれど。


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