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夢の続きと寂しさの雨音

この世では成功者した表現者だけが唯、自分の全身を魅せることができる。

成功した表現者とは何かを

僕は知っている。

本当は全ての表現者が、
自分の表現を見てほしいと願っているのにな。

成功者がニセモノだとは思わないけれど、なんだか狡いと感じてしまう。

きっとこの感情は

遠回りをして、
往く道を違えて、
そして
表現者になることに嫌気が差して

下積みのその先に何があるかも何となく感じた若い僕の妬みなのだろう。

あの時の僕と今の僕が離れた時、
小さき僕はとても不安で寂しそうだったけれど、今もまだ迎えに行けてないんだ。

もう

迎えにいけないかもしれない。

あの小さな舞台に
たったひとりきりで残したままだ。

雨みたいに悲しくて

気が滅入るような寂しさと

ほんの小さい
しとしと、と鳴る優しい音。

そんな僕だった。

雨の夜のようなあの時の僕が、
どう足掻いてもがいても
太陽にはなれない僕を
好奇の目に晒すことができない事実が、

あの舞台に夢と希望に溢れた僕を残してきてしまったんだ。

迎えに行ってあげたいけれど

僕は所詮は
「誰かの紛い物」だからね。

だから僕の息が届かないことが

誰かの五感を触ることができない事実を
解っているんだ。

今の僕では密かに回収工事。
まだ息をしたいと身体が唸るから
今の僕は文字列を並べることで息を吐いている。

これですら誰かの
「紛い物」
かもしれないね。

多分、
こんな僕をいつか誰かが見つけてくれたら嬉しいと思う。

そしたらきっと迎えに行けるかもしれない。

あの時夢に見た表現者に
幼き僕をヒーローに

してあげることができるのかもしれない。

なんて。

いや、
只の夢みたいな夢の話さ。

#詩 #小説 #ポエム #音楽 #pnem #生きづらさ

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