貴女を好きな人形のお話
目が覚めたら、あたしは貴女のお人形さんだったの。
貴女の笑っている顔が大好きだった。
貴女と過ごす大切な時間。
貴女がくれた、大切なもの。
貴女の愛が、嬉しいわ。
あたしがお人形さんになった日。
貴女がいつも寂しくないように。いつも笑ってますように。
キラキラ瞬くお星様にお願いするの。
解けることのない秘密の魔法。
あたしは貴女のお人形さん。
貴女が寂しさに傷ついてしまったら、あたしを壊していいのよ。
痛くなんて、ないわ。
貴女のため。貴女のためよ。
痛くないわ。怖くないわ。
大丈夫よ、
きっと貴女のほうが痛いもの。
だからこれくらい痛くないの。
貴女の傷はあたしに頂戴。
全部頂戴。
あたしは貴女のお人形さん。
あたしはいつか棄てられてしまう。
寂しいけれど寂しいけれど
寂しいけれど、大丈夫なの。
あたしの胸には貴女がくれたあたたかい温もりしか残ってないから。
バラバラになっても
壊れてしまっても
貴女が愛してくれなくなっても
この想いは色褪せないから。
あたしは貴女のお人形さん。
貴女だけの
お人形さん。
幸せ、よ。
そうよね、ママ。
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