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よくわからないけど、なんとなくいい

タイ古式マッサージを受けても特に大きな変化は起こらない。せいぜい「ちょっと軽くなったかな?」とか「少し楽になったのかな?」という程度で、「あなたが軽くなった、楽になったと思うのなら、そうなのかもね!」と、判断は受け手側に任せてしまう。
あなたはそのままでいいんだよ。
今ある幸せに目を向けてみて。
という、ふわっとした抽象的なメッセージはないけど、「焼肉を食べた方が好いよ」とか「部屋をもう少し片づけた方が好いのでは?」などといった現実的なサティはやってくる。で、焼肉を食べると、部屋を片付けると、どうなるの??テキトウでいい加減なところがいかにもタイ古式マッサージっぽい。このよくわからない感じをタイ古式マッサージでは「心地いい状態」と表現する。ちなみに、気持ちいいとは質が違う。イタ気持ちは「伸ばしすぎ」だし、イメージ(想像)の中で心地よさを味わおうとすると、雑談がそれを阻止してしまう。雑談をしていない時でもひざ裏や首の後ろで左右差を確認する声かけをするし、アムリタ(腹部の振動)ではお腹がピョンピョン飛び跳ねてトイレに行きたくなる。
タイ古式マッサージをやると自分の内側ではなく、外側へと気が向いていく。自分を取り巻く人々や環境や状況や目の前にある課題や解決しなければならない問題などに取り囲まれてしまう。でも私とお客様の「今気になっていること(おしゃべり)」に風を挟んで風を気にしていると、余計なことは気にはならなくなる。今気になっていることだけに取り組めば、物事は好い方向へと向かう。そしてこれから先こそ、タイ古式マッサージが必要だと私は思う。人生の後半は老いの苦しみ、病気の苦しみ、死の苦しみと、苦しみがてんこ盛り(笑)。だから、せめて今は「生きていることで生じる苦しみ」を楽に軽くしておきたい。これから先にやってくるであろう心配や不安や恐怖をすり抜けてやり過ごしていけるよう、タイ古式マッサージで余計な思考や感情を静止させる。風に触れていると、心配や不安や恐怖は「大丈夫」へと変化する。実際、過去も大丈夫だった。そして今も大丈夫。だからこれから先も勿論大丈夫。そうやって少しずつ自分のことを信じられるようになり、起こりうることに対しても恐れを抱かなくなっていく。
人の気力には自然治癒力が働いていて、気の動きには自然の流れが作用している。でも自然治癒力(火、風、水、土)は視えないから「よくわからない感じ」となるのだけど、触れてみると「なんとなくいい感じ」としてお客様へ手渡せる。私とお客様の間でタイ古式マッサージは「よくわからないけど、なんとなくいい」として成立しているのだから、気の動きも風の流れも視えないだけで存在している。
気が自然の流れを阻止してしまわぬよう、人生の合間にタイ古式マッサージを挟んで、風通しをよくしてしておこう。風の流れに気づくと、気は風と一緒に好い方向へと向かい、そのうち(内側)に好いことが根づいていく。
タイ古式マッサージを受けると好いことが在る。という思い込みは大事で、そういう内側には心地いい風が吹いている。警戒心が強く疑い深い私でも心から安心できる。タイ古式マッサージは安心や安定という軸を根底に作る。と、最近思うようになった。頭で半信半疑だったことが思いとなって腑に落ちると、揺るぎない軸となる。今まで何度も風の揺さぶりに遭遇したけれど、その度に確かめてきた。だからこそ「大丈夫」と言える。ナナメ上から降ってくる「大丈夫」と、内側から芽生えた確信からの「大丈夫」が1つになった時「なんとなくいい感じ」は「なかなかいい感じ」になった。

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