見出し画像

ボニンブルー 青い海の島から

昨年の7月中旬、中体連都大会が行われた。
前年の新人戦都大会に続いて出場できた幸運を、母親として観客席から観ていた。
学校としては20年ぶりの出場で応援旗もなく、間に合うように急いで作った。

予選を勝ち抜いた都内50チームが集まる開会式。
甲子園常連高校付属の中学校の名前も並ぶ。

その中に、夏の大会にしか出場できない大島合同他、
5つの島チームが参加していた。

女子選手の、きりっとひとつに結ばれた髪が凛々しい。
彼女は、どこのポジションなのだろうか。


中でも、小笠原村立小笠原中学は9人の部員で初出場とのことだった。


パンフレットのチーム紹介には、
東京から南に1000km離れた小笠原父島について書かれていた。

父島の海はとても青く、「ボニンブルー」と呼ばれていること。
幼少期から仲の良い仲間でできたチームであること。

観光案内には、片道25時間30分の船旅、とある南の島に想いを馳せた。

空路は無く、唯一の交通手段は東京から父島へ片道25時間30分の船旅となる、はるか遠い南の島です。しかも通常期の船便は、概ね1週間に1便の運航で、旅行日程は東京発着の6日間が基本となります。


島に住む中学生の大会参加は、夏だけだ。

練習試合をしようにも、ままならない。
練習して、大人に相手を頼み、試合をする島の中学生たち。

島のお揃いのTシャツを着た、お父さん、お母さん、小さな兄弟。
一丸となって戦いに来ている。

すーっと、透明な風が吹くような気がした・・・応援したいチームになった。
素敵だな。これが、スポーツが作ってくれる繋がりなんだな。


息子たちの知らない、美しい海の色を心に持っている中学生と試合ができるのだ。


今年は、コロナの影響で、中体連の試合もやはり全国には繋がらないのだろう。
奥戸球場で甲子園のように行進をさせてもらい、暑い中で行われた中体連都大会夏の開会式は、今年はないのかも知れない。

いつか、息子と父島に行って『ボニンブルー』を確かめたい。




書くこと、描くことを続けていきたいと思います。