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雨が滲んだ美しさ

朝から雨だったある日、ソール・ライターの写真集を出してきて、見ていた。
雨の景色を撮影したものが好きで、そこには色がなくても温かさを感じる気がしてしまう。
濡れた道路に反射する、滲んだ明かりの醸し出す雰囲気が好きだ。

水溜りに映り込む光が滲んで、いつもより街の一部を明るくするような。
曇った窓ガラスの向こうの景色を、ワイパーのように動かした手のひらで切り取ると、いつもとは違った街に見える気がする。

雨も悪くないな・・・と思うのだ。
同じ街が、より鮮やかな景色に映る気がする。

雨の反射、もしくは鏡の光の反射を計算しているのか、
切り取り方のセンスも好きである。

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そして、
「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜」展
を見にゆくことは叶わなかったけれど、見てきた方にポストカードを見せていただいた。
レッサー・ユリィ。

美術史上はドイツ印象派の画家。
実は、聞いたこたとがなかった。
働く母親の後ろ姿と、その赤い色。
滲んだ雨の景色。
画集を探したが、海外の高価なものしか見つけられなかった。

どこか、雨の表現がソール・ライターに近い気がした。
写真と油彩で、表現方法も違うのに、レッサー・ユリィの絵を見て浮かんだのは、
ソール・ライターだった。

もしかすると私は、輪郭が滲んだり、反射したりして少し歪むことによる美しさが好きなのだろうか。
泣いた時に景色が歪むのは、せつない時であるのに・・・。

水溜りに映り込むものを、上から眺めるのも小さい時から好きだ。
特に、雲が流れるのを水溜りを通して見るのが好きだった。
白く月が映ることもある。


ジョナス ブラザーズの『A Little Bit Longer』のジャケットも好きだ。
雨が降ると、街の鮮やかさが増す。

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そして、レッサー・ユリィ。


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