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心をうつす鏡

何を話していたのか・・・。
話の前後は忘れてしまった。

「おばけなんかより、生きてる人間の方がよっぽど怖いわよ!」

一緒に話していた友人のお母さんの言葉だ。
「!」と思ったあとで、なるほど・・・と妙に納得してしまった。
かまってほしくて出てくるおばけより怖いのは、自分が怖い事をしていると思っていない、生きている人間の方かもしれない。

私の母は、どちらかというと性善説で生きていて、人を疑わない人だった。
人を出し抜いて何かをしようという感覚が、身近にはないと思えるのは平和ぼけなのだろうか。

「世界が滅びてしまうって話があるでしょう?こわい。」
と小さい頃、母に言ってみたら、
「それは、自分一人だけ助かろうと思うからでしょう。」
と言われて、「!?」と思ったものだった。

その感覚で育てられてしまった私は、大人になってから、たまにびっくりさせられることがあった。
生きている人間の方がおばけなんかより怖いんだよ、という友人の話で、思い返せば、あれはそういうことだったか・・・と思うようなことも、確かにあった。


悪いことと知っていて悪いことをする人の他に、悪気なく、悪いことをしてしまう人は、本当にいるようだ。
なかなか信じたくはないのだけれど・・・。
だとすれば、対処の仕方を知りたいものだ。

自分も鏡で、顔というより『心』を映してみないとなぁ。

怖い顔をしていないか。
もしくは、白雪姫のお母さんのように、自分の都合の良いようにみていないか。

悪気なく、悪いことをしちゃうのが、一番怖いんだから!

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『心』というのは、意外と顔に出るものだ。
会った方から受ける第一印象は、しばらくして「あれ?間違っていたかしら?」と思っても、最終的にはやっぱりあっていることが多い。


ラ・フォンテーヌという人の本を思い出した。
『「悪知恵」のすすめ』の解説。

「すべての道はローマに通ず」などの名言を残した、17 世紀のフランスの詩人ラ・フォンテーヌ。彼が『イソップ童話』をベースに書いた『寓話』は、フランス人的な叡智と毒が詰まった人生訓であり、マキャヴェリの『君主論』を超えるほど冷徹なものだ。
本書は、その醍醐味を、政治の話や著者の体験談などを織り交ぜながら、鋭い観察眼を通して解き明かす。

◎無知な友より、賢明な敵のほうがまし
◎小さな親切は、大きなお世話である
◎ペテン師をペテンにかけるほど楽しいことはない
◎遠くから見ればたいした人物だが、近くから見るとろくでもない
◎見かけで判断するのはよくないが、判断は見かけでしかできない……。
生きる知恵、フランス人的"賢さ"が身につく一冊。
どんな時代でも生き抜ける、たくましく柔軟な子供に育てるために。
いまや、子供にも心の強さが求められる時代。わが子が社会で落ちこぼれないために、300年間、フランス人の心を鍛え育ててきた、この童話集に学ばせましょう。
17世紀フランスの詩人、ラ・フォンテーヌが「寓話集」として集大成した「イソップ童話」。今もフランス人の子育てバイブルとなっているこの童話は、日本で読まれるイソップとは解釈がまったくちがいます。低成長時代を生き抜き、国際的にも通用するタフな人間に育てるために、さあどうぞ、あなたの子供さんに読み聞かせてあげてください。

この通りにするということではなくて、知恵として識っていて、気をつけて暮らすのはいいかもしれない。
逆説的になるかもしれないけれど、いろいろな人間の行動パターンを知っていれば、おばけより怖い「生きている人間」なんて、大したことないと思えるかもしれない。
もし、本当に怖いものに出会ってしまったら、悪知恵を使えるほどしたたかになれていたら。

STOP!詐欺被害。私は騙されない。って、テレビから聞こえる。



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