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回顧録 vol.5 ボリショイ劇場

ロシアと言えば芸術。音楽やバレエでも有名。
ボリショイ劇場でバレエを観る機会に恵まれた。

ソ連当時、ボリショイ劇場内の撮影は禁止され、警備員の女性たちは客席に目を光らせていた。

演目は確か「白鳥の湖」だったかな。
滞在中、幾つか観ることが出来たので、どの日に何を観たのかはハッキリと覚えていない。

チャイコフスキーの曲は、哀愁漂うものが多い。白鳥の湖でも所々に感じる。
バレエは振付家によって、バリエーションに使用される曲が異なる。だから、お気に入りの曲が聴けないときは、少し残念な気持ちになる。

そして肝心のバレエの内容は、すっかり忘れてしまった。

劇場内のホワイエで自分と同じくらいの、ボリショイ・バレエ・スクールの女の子、数人を見かけた。本当に皆きれいだった。

実は、自分はダンチェンコ(モスクワ音楽劇場)にバレエのレッスンを受けに来ていた。

美味しいもの食べて、甘ったれた生活をしている自分とは違い、ホワイエでも飲み物のみ。自分はというと、クッキーを勧められ喜んで食べていた。

やはり、ちょっとでも気を許すと、ポジションを誰かに取られる厳しい世界なんだと、改めて気づいた。才能も必要だが、努力はそれ以上に必要だと思った。

それ以降、帰国してからも食事に気を付けるようにした。

こんな様子だったので、演目や建物を気に留める余裕がなかった。

今思えば、勿体なかったなぁ。
その頃はまだ中学生だったから、仕方ない。

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