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電話きら〜い

嫌いな時間
「すぐかけなおす」のすぐ
「改めてかけします」の改めるまで
きりどきのタイミングを逃し続ける

好きな時間
通話が終わったあとの開放感
こちらからかけて相手が出なかった時

私は電話が嫌い。「電話」という言葉のせいで、会話が聞く・話す、に二分されてしまい頭が回らなくなるので。
相手の聴きながらメモを取り返事をするなんて、残念ながら一度に三つもリアクションできるほど器用じゃない。
同じく嫌いなの要件を済ませたのにも関わらず雑談が伸びてやまない人。適当な返事でご自身の話がいかにつまらないかを示唆申し上げるも、顔が見えない電話では伝わりにくい。ま、気づかれて嫌われるのも困るんだけれど。

本屋でのアルバイト時代、電話はできるだけ取らないように心がけていた。本のお問い合わせは確認事項が多く、売り場へ在庫を探しに行くのも時間がかかる。脅迫のような呼び鈴が叫ぶ受話器へ伸ばす手は、先に起こる負担と責任のせいで重かった。はい、お電話ありがとうございます……書籍のタイトル名は……少々お待ちください……(保留)…。おかげで電話をとる直前に、無事に受話器を戻せることを祈る癖が生まれた。

過酷な通話体験ができたおかげでいっそう苦手になってしまった。私に御用のある方は是非文章で。

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