【Vol.9】写真家 豊田慶記氏が聞く、LUMIX S5II「深堀り」開発者インタビュー
写真家 豊田慶記氏によるLUMIX S5II開発チームとのロングインタビュー。全12回の連載を予定しています。
前回に引き続き、「ボタンやレバーの操作性について」についてのインタビューです。
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ーー:
S5と比較すると多少大きくなっているとのことですが、バッテリーグリップ等が共用出来るなどフットプリントが変わっていないのは見事だと思います。 ちなみにフリーアングルモニターにした理由について教えて下さい。
金田:
S5IIでは静止画はもちろんですが、動画も非常に重視したハイブリッド機というコンセプトで設計しています。こうした使い方の場合、背面モニターの可動方式はチルトタイプよりもフリーアングルのほうが都合が良いシーンが多い、という意見を特に欧州のユーザーから頂いております。
中村:
S1のようにスチルに軸足がある場合にはチルトタイプを採用する場合もありますが、今回はボディサイズと製品コンセプトも含めまして、S5の特徴でもあるフリーアングルを引き続き採用しました。
ただし、単純に動画用ならフリーアングルが都合良い、ということではなく、カメラの使い方や構え方も日々変化していることを実感として感じておりますので、我々の考える最適解として、現在のタイミングではS5IIにはフリーアングルが良いだろう、と考えております。
ーー:
フリーアングルモニターは開いた状態での強度に不安があります。S5から進化や改善はあるのでしょうか?
金田:
S5とS5IIでフリーアングルのヒンジ部分の構造は同一ですが、ともに実用上安心して使える強度を備えていると考えています。
ーー:
具体的なスペックは・・・公表できないと思いますが、強さのニュアンスを明かすことは出来ますか?
金田:
伏せ字でお願いしたいのですが、LUMIX製品は最低でも〇キロ荷重に耐えるよう設計されています。同クラス帯の他社様製品と比べても決して負けてない強度です。
福川:
え?そんなにイケるの??
金田:
イケます。最悪僅かな変形はあったとしても、破損したり、閉まらなくなったり、機能が効かなかったりすることはありません。といっても公式にその実力を保証するものではありませんので数値については非公開でお願いします。ユーザー様も故意に負荷をかけないようにお願いします。
ーー:
想像以上に強くて驚きました。こうした評価検証は掛かる力の方向や荷重の掛け方などが定義されていますので、自己都合でテストしてその性能を保証するわけではない、ということは改めて明示しておきたいですが、やはりビックリ性能です。
EVF接眼部の直下にスピーカーがあります。電子のシャッター音はここから鳴っていますね。ボディの中央付近から電子シャッターの音が発せられますので自然な聞こえ感で良いと思います。S5IIではどのような理由でこの位置になったのでしょうか?
金田:
この機種の場合はサイズ感を優先しているので、誤って指で塞いでしまうリスクが低い場所で、全体フォルムを最も小型化できる場所を探した結果がこの場所でした。ご満足いただけているようで何よりです。
(続きます)
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