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【LUMIX Ability】最大約1億画素の写真が撮影できる「手持ちハイレゾ」について

LUMIXの機能やカメラの基礎知識をお届けする連載「LUMIX Ability」。

2023年10月27日(金)に発売されたLUMIX G9PROIIでは、最大約1億画素の写真が撮影できる「ハイレゾモード」を手持ちで扱えるようになりました。

手軽に高解像な写真撮影を体感してみたいという方に向けて、今回は「手持ちハイレゾ」について解説します!


ハイレゾモードとは

LUMIX G9PROII
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.
F4.0 SS1/500 ISO500
@Keng Chi Yang

ハイレゾモードとは、センサーをずらして連続自動撮影を行い、合成処理を行うことで高解像画像を生成できる機能になります。被写体が持つディティールまでを繊細に描写します。

合成をPCで行うこともありますが、LUMIXのハイレゾモードではカメラ内で合成処理を行うことができます。

実は冒頭で表示した画像は、こちらの画像を拡大したものになります。拡大してもシャープな質感を維持できるのが、このハイレゾモードによる高解像画像の魅力です。

LUMIXでは、ただ単に輪郭を強調して解像度を上げる訳ではなく、被写体に応じて適切な画像処理を行うことで、被写体自体の限界解像度を高め、被写体の質感を繊細に写し出します。線が太くなりがちなマイクロフォーサーズでも、繊細な描写が可能です。

ハイレゾモードは撮影時にブレが発生してしまうと正しく合成ができないため、基本的には動く被写体には向いておらず、撮影時には三脚が必要となります。そこで活躍するのが、ハイレゾモード設定で選択できる「被写体ブレの処理」!動く被写体をそのまま連写合成してしまうと、被写体のブレがそのまま記録されてしまいますが、MODE2を選択することで、被写体が動いた箇所のみを、連写画像の1枚目を合成するため、動く被写体が映り込んだ場合でも、静止した合成画像として表現できます。

手持ちハイレゾとは

進化した画像処理エンジンや高性能なセンサー、強力な手ブレ補正によって、三脚を使用せずハイレゾ撮影を可能とするのが「手持ちハイレゾ」になります。

三脚を持ち運ばなくてもハイレゾモードを楽しむことができるため、撮影時の負担軽減に繋がります。

どんな写真が撮れるのか

それでは、実際にハイレゾモードで撮影した写真をご覧ください。

葉っぱ×手持ちハイレゾ

LUMIX G9PROII
LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
F4.5 SS1/200 ISO100
@三谷飾屋

葉脈の立体感や緑のグラデーションまで美しく描写されています。

動物×手持ちハイレゾ

LUMIX G9PROII
LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
F4.5 SS1/1600 ISO200
@三谷飾屋

動物の肌の質感や体毛の1本1本、体に刻まれたシワまで、繊細に写っているのがわかります。

動物に限らず、月や風景など被写体に寄って撮影することのできないシーンでは、ハイレゾモードで撮影し、後からクロップする。といった使い方もできます。

人工物×手持ちハイレゾ

LUMIX G9PROII
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.
F8 SS1/250 ISO100

人工物特有の線の美しさや金属的なツヤ感も描写されています。

スナップ×手持ちハイレゾ

LUMIX G9PROII
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm/F1.7
F1.7 SS1/800 ISO100
@Keng Chi Yang

三脚が不要になったことで、荷物を軽くしたいスナップ撮影においてもハイレゾモードを気軽に楽しむことができます。

設定方法

カメラ左上のモードダイヤルを「ハイレゾ」に回すことで撮影モードをハイレゾに切り替えられます。その後、メニュー画面から「写真→画質1→ハイレゾモード設定」と進み、さらに細かな設定ができます。設定できる項目は以下の通りです。

手持ち撮影
ONにすると三脚を使用せずハイレゾ撮影が可能です。使用には、手ブレ補正機構をONにしてください。OFF時は手ブレ補正機能は使用できません。

写真画質
写真画質は、通常撮影の設定と連動、もしくは別に「FINE」「RAW +FINE」「RAW」のいずれかから選択することもできます。後から編集したいという方はRAWデータで保存しておきましょう。

画像サイズ
解像度を優先する大きなデータ「XL」と解像度とデータサイズのバランスがとれた「LL」から選択できます。記録メディアに余裕があり、ハイレゾ撮影ならではの高解像画像を楽しみたい方は「XL」を選びましょう。

通常撮影同時記録
通常のデータを同時に記録するかを選ぶことができます。ONにすると1枚目の写真が、画像サイズLで保存されます。ON/OFFで切り替えができますので、目的に合わせ設定しましょう。

シャッターディレイ
セルフタイマーのように、シャッターボタンを押してから、シャッターが切れるまでの時間を設定できます。設定内容は以下のとおりです。
[30秒]/[15秒]/[8秒]/[4秒]/[2秒]/[1秒]/[1/2秒]/[1/4秒]/[1/8秒]/[OFF]

被写体ブレの処理(手持ち撮影OFF時のみ設定可能)
MODO1とMODO2を選択できます。違いは以下のとおりです。
・MODO 1
被写体ブレが残像のように見えます。
・MODO 2
撮影中に動いた被写体を検知し、その部分のみ合成処理を行わないことで、被写体ブレの残像を抑制します。※「手持ち撮影」がONのときは、MODE2に固定されます。

手持ちハイレゾで活きる便利機能(手ブレ状態スコープ)

ハイレゾ撮影時は画面がブラックアウトし、被写体の状態が確認できなくなります。そこで便利な機能が「手ブレ状態スコープ」です。

「手ブレ状態スコープ」をONにすると、カメラのブレ状態を表すポインタが表示され、撮影時の手ブレ状態をひと目で確認できるようになります。

「手ブレ補正機能では補正できない範囲の手ブレが発生した場合、正しく合成ができない手持ちハイレゾ撮影」において、手ブレ状態スコープは「できるだけ手ブレを起こさない」ための指標になり、ミスショットの軽減に繋げられます。

Fnボタンに登録しておけば、任意のボタンを押すだけで表示/非表示が切り替えられるので、ぜひご活用ください。

S5II/S5IIXに「手持ち撮影」を追加

10月24日(火)に公開された最新ファームウェアによって「LUMIX S5II」と「LUMIX S5IIX」でも、ハイレゾモードにて「手持ち撮影」が使用できるようになりました。お持ちの方は最新ファームウェアをダウンロードして、手持ちハイレゾをお楽しみください。

変更点
1.ハイレゾモードで、シャッタースピードが8秒まで設定できるようになりました。それに伴い、[長秒ノイズ除去]も使用できるようになりました。

2.ハイレゾモードで、手ブレ補正を働かせて、三脚を使わなくても解像度を高めた写真を撮影できる、「手持ち撮影」を追加しました。

最新ファームウェアのダウンロードはこちらから↓


今回は、「手持ちハイレゾ」について解説しました!

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