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一緒に歳を重ねる作品。


三ヶ月前、オランが右腕を骨折しました。

その節は、お見舞いやご心配くださる言葉をたくさん掛けて頂きました。今でもとても嬉しくありがたく思っています。

だってそうですよね、たかがあみぐるみです。表面は毛糸、中身は綿、骨格はワイヤーでできたオランウータン。馬鹿馬鹿しいと思う人がいて当然です。

でもそうは思わない人と私はつながっていたいのです、これからも。


致命傷を負ったのは、私かもしれない。

骨折が分かってからすぐにつけてあげた娘のサポーター。

アトピーで寝ている時に搔きむしらないように、苦肉の策で買いました。結局すぐ外してしまうので仕舞い込んだままになっていましたが、偶然にもぴったり。

オランはこの格好で海へ行ったり、紫陽花を見に行ったりしています。が、パッと見、片袖だけ長袖の服を着ているように見える謎めいた物体、よく見るとサポーターだと分かるけど、なんでこんなものしてるのか?やっぱり謎めいた物体に思われます。

まぁ、大きな猿らしき何かを抱えて歩く私がそもそも怪しい(笑)

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娘の成人記念撮影も一緒


骨折、残念ながら治すことができません。

いや、もしかしたらなんとかなるのかもしれません。編み目を注意深く見ながら慎重に開いてみるとか。でも私にはそれを施す勇気と気力と自信がありません。

…だってオラン、麻酔効かないから。


「オランからのメッセージ」

I think I might have broken my arm.

irreparable injury…
irremediableness…

Nature also, once destroyed, will not easily return to its former state.
I guess everyone knows that.

腕を折ってしまったかもしれません。

回復不可能な怪我…
取り返しのつかないことに…

自然も、一度破壊されてしまうと簡単には元に戻らない。
それは誰もが知っていることだと思います。


骨折してわかったこと。

負傷の原因は、私と一緒に活動しているからこそ。

船に乗って北木島、直島。
バスに乗って大阪。
新幹線に乗って東京。
飛行機に乗ってニューヨーク。

色んなところへ行き、沢山の方と触れあい、可愛がってもらいました。

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Vogue Knitting LIVE NYC (2020)


これからも痛々しい姿のままです。「治してあげてほしい!」とメッセージをくださった方、ごめんなさいね。

オランは幸せな子です。
作品の幸せは、私の幸せです。

自分と一緒に「作品も歳を取る」ということを、私は身をもって経験させてもらっています。こういう作品との向き合い方もあっていいのかな?って、今はそう考えています。

そして、オランはサウスポーになろうと頑張っています。


オランと共に新たな挑戦を!

2022年11月11日
オランの故郷ボルネオ島に植林をする資金を募るクラウドファンディングに挑戦します。

なぜ植林するのか?
なぜクラファンするのか?

詳しくは、クラファンサイトの方で!
ぜひ応援よろしくお願い致します。


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