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港から始まる 「水信ブルック&ファクトリー」 〜 小さく気高いフルーツサロン②

こんにちは。
「今度はパフェを食べに行きませんか?」というお誘いでまたまた水信へ。

新港エリアにできた客船ターミナルを中核とする横浜ハンマーヘッド内にオープンした「水信ブルック&ファクトリー」。北仲にある「水信フルーツパーラー」とはまた違う力強いエネルギーを感じます。
(記事「小さく気高いフルーツパーラー。 横浜・北仲『水信フルーツパーラー』」)

日本初の荷役専用クレーン、ハンマーヘッドクレーン。

横浜で果物、といえば水信。1915年、横浜で輸入バナナの加工問屋から始まった水信と縁の深い「港」を舞台にフルーツの世界が展開されています。

水信ブルックがご提供するのは、港が持つ邂逅(出会い)と融合(マリアージュ)というイメージにインスパイアされた「ここでしか味わえないフルーツの世界」。

水信ブルック&ファクトリー

店舗デザインは、北仲のパーラーと同じ水戸岡 鋭治さん。
印象的な「赤」が目に飛び込んできます。この赤が素晴らしく美しかった!

普通は占有面積いっぱいに店を広げ座席数を確保するところでしょうが、三角地を設けることで、美味しいフルーツやジャム、ケーキなどを販売したり、

ジェラートを食べたりと、お店とお客さんが自由に使えるスペースになっています。こういうちょっとした余裕って大切。

この「赤」、質感は車のボディーなどと同じ全艶塗装。水戸岡さんがデザインを手掛けたJR九州「ななつ星 in 九州」と同じ職人が、丹念に磨きと塗装を繰り返し、最高のクオリティを実現しています。

横浜市の花、薔薇のデザイン。

赤は血の色であり、生命を表す色。また、日本の伝統色でもあります。また、赤を使ったことで、お客様に“ハレ”の気分を味わっていただきたいとの考えもありました。

水信ブルック&ファクトリー水戸岡 鋭治さんインタビュー

扉を開けていただくと…わぁー!どこに視線を固定していいのか分からない。美しさが雪崩れ込んできます。

エッチングに水信のシンボルがちゃんとあった

マーブルから花柄へ

椅子の肘掛の片側が短いのは列車デザインをされている水戸岡さんならでは。通路に出やすいのよね。背もたれの突起も片側のみ。

ゆったりとしたソファー席を用意して下さっていました。
あーどこに視線をおいても美しい!!!

植物柄が浮き彫りになる光天井

旅情を誘うランプ

組子職人の手仕事による仕切り扉

壁!細部まで抜かりない。

水信ブルックは、僕がデザイナーとして50年経験したことを詰め込んだお店です。小さな空間ながら、入店した瞬間にどこを見ても絵になる宮殿のように、こだわりをぎゅっとまとめて、非日常の空間を造りました。

水信ブルック&ファクトリー水戸岡 鋭治さんインタビュー

と、感嘆しているうちにフルーツたちがやってきました。

美しいって美味しくて、美しいって嬉しいね。

プティフール7点と、

季節のミニパフェをいただきました。今回はいちご。いちごのマリネに、ホワイトチョコクリーム、ピスタチオクリーム〜と、ひとつひとつの層がキチンと美味しいパフェでした。

そして突然友人が「これ作ったんです」とくれたのが、羊毛フェルトで完璧に再現されたカスタム君!
税関=Customs=カスタム君。税関のキャラクターなんです。

Gingyも芯を入れてキレイに作ってくれた!

以前一緒に横浜税関に行った時、「カスタム君好きなのよねーでもぬいぐるみ販売してないのよ」と私がつぶやいたことを覚えててくれた。
嬉しすぎる!ありがとう!

横浜税関で水際を守るカスタム君。ゴールデンレトリバーということだけど…イザという時には俊敏さを発揮するに違いない。

羽田ではいつもモフモフ触って挨拶してから飛ぶのよー(出発ロビーにでっかいカスタム君がいます)

横浜税関管内の各支署にはご当地カスタム君がいて、神奈川はペリーカスタム君

宇都宮出張所は雷都宇都宮カスタム君。いちごと餃子をドンドコドンと降らせているそう。

話がそれましたが〜水信。
スプレッドやジャム、フルーツポンチが麗しく並べられていました。
排気口にもね、組子のカバー。細部への気遣いが素晴らしい!

壁も天井も床も椅子もファブリックも既製品ではなく全てオリジナル。ひとつひとつへのこだわりと愛情の重なりが唯一無二の空間を創る。

北仲のパーラーでも感じましたが、エネルギーなんですよね、共鳴。
「わかる人には伝わる」
これでいい。これがいい。大きく広げる必要はない。同じような意識、感覚を有する人たちが共感し、嬉しい気持ちで満たされる空間。

人間は、エネルギーを感じる動物です。お店に多くの職人たちのエネルギーをかけた分だけ、お客様やスタッフの感じる感動の大きさは比例します。

人のエネルギー、さらには心構えや志は、すべて形になって見えるもの。これらを内装デザインという形にすることで、お客様に長く大切にされるお店になるのです。

水信ブルック&ファクトリー水戸岡 鋭治さんインタビュー

サーブして下さるスタッフの方からもお店への誇りが感じられました。働く人も訪れる人も、「ここにいる」ことへの喜びが溢れる空間。
あっ、ホテル川久を思い出した。
(記事「美しき狂気。 建築のメティエダール 『ホテル川久』 / 和歌山②」)

何度来ても嬉しく満たされるところ。それは携わった人たちの誇りが具現化した空間。また来ます!

水信ブルック&ファクトリー
横浜市中区新港2丁目14番1(横浜ハンマーヘッド内2階)

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