ハケン社員とは。

始まりました。ドラマ「ハケンの品格」

伝説の派遣社員大前春子のスーパー派遣ぶりと「働くとは何か」ということを問うお仕事ドラマ。今回はパート2になる。

↑初日の顔合わせで言いたいことだけ言って無反応の春子。相変わらず!それを見て懐かしむかつての仲間(?)小泉孝太郎。ニコニコしちゃってるし。

派遣社員という働き方については、13年前にもそれなりに認知されていたけれど、この「ハケンの品格」というドラマの登場で広く知られたという経緯はあるように思う。

実際私も派遣社員という働き方を、これまでの労働年数を換算しても比重高く選択している。

始めた頃(今から20年ほど前)は地方の田舎町だったこともあってまだ「派遣」と言う働き方は珍しい方だった。大抵は正社員、復職するときは再び正社員、時短ならアルバイトかパートというのが一般的だったけれど、急遽人材が欲しくなった、正社員が入社するまでの限定的な雇用といった理由から「派遣」の需要も高まっていた時期だった。

最近ではどちらかと言えば、正社員という雇用形態をなるべく少なくしたい企業が、限定的に人材を増やしたい場合に選択される傾向にあるように思う。

そんな中で、資格を星の数ほど有していて、時間給の分はきっちり働くけれど、時間外はお断り。正社員だろうが上司だろうがビシバシモノを言い、お昼もきっちり1時間取る。その分仕事はスーパー早いし正確で的確。数々の会社の危機を救い、延長なしのきっちり3ヶ月で職場を去る。

そんな大前春子はかなり誇張された「デキる派遣社員」として面白おかしく取り上げられていた。
行った先で「君もそんな感じなの?」とこわごわ仕事を依頼された時には参ったけれど(一度も派遣を雇ったことのない会社でよく見られた現象)、派遣社員の基本的な姿勢というのは「時間給の分、依頼された内容・部署の仕事をこなす。それ以外の仕事は引き受けない。契約についての交渉は直接受けない」となる。

基本的には、ということなので業務内容については大きく外れていなければもちろん依頼されたことはやるだろうし、契約延長やそのほかのことについて交渉の前段階でお伺いを受けることは多々ある(延長にしろ、終了にしろ)。ただし実際に働く企業と被雇用者との間に「派遣会社」が入るので、直接雇用よりは働きやすい面もある。
ただし、派遣社員の待遇についてはしばしば問題にされることもあって、法律が目まぐるしく変化する傾向あるので、一年くらい現場を離れていると、それまでの常識がすっかり変わっている、などよくあって驚く。

今回も13年も経過すれば、派遣という働き方についても、人々の捉え方についても変化が生じているだろう。

シーズン1ではとても気弱な後輩派遣社員が春子の生き様に影響を受けていたけれど、今回、春子に圧倒される2人がこちら。

右は30手前で焦りを感じつつも、不安定な派遣という働き方に日々怯える亜紀。3ヶ月ごとの更新を前に神経をすり減らし、サービス残業も厭わない姿勢で継続を望む気弱な派遣社員。

左は新卒の就活にことごとく失敗し、派遣という道を選んだ新米派遣の小夏。

亜紀は断れない立場でのセクハラに悩む。いやと言えない性格。

いっぽう、小夏はこのS&Fという会社に正社員としては内定をもらえず派遣という形で働くことになったという事情があった。

→グループ面接にいたよね、と勝ち組から声をかけられムカムカする小夏。少々気が強い。

初回は大事な商談をまとめるのに、里中(小泉孝太郎)が春子の助けを借りるも、その商談中、セクハラを訴えたことで人事に呼び出された亜紀と小夏が里中に助けを求めるという展開。

里中と春子が商談を一時抜け出し、半ば監禁されたような状態の2人のところへチェーンソーを持ち出し扉をぶった切って奪還(本人の意図は別のところにあるというオチ)するという初回からめちゃくちゃな展開。

あり得ないだろう展開はいつものことだけど、「働くということは生きること」という彼女の姿勢は13年前と変わらない。

春子は一貫して気ままな人生を謳歌しており、いわば

派遣という働き方を選んでいる。

いっぽう、亜紀や小夏は望んだ正社員という道を何らかの理由で選ぶことができなくて、

一時的に派遣という雇用形態にすがっている。

この違いが派遣という二面性をよく表していると思う。

どちらにしても、働くということはどういうことなのか、何をしたいのか、春子と接した人は改めて考えることになる。

それにしても派遣初日0秒ででいきなり、デスクのパソコンを開き、そのままバチバチ打ち込んで資料作成とか、あり得ないだろー。
パスワードとかアカウントとかどーなってんじゃーとか思ったら終わりなんだろうな、ドラマだし。

前回春子といい感じになった東海林(大泉洋)は今回特別出演なんですって。残念・・・

本人は北海道勤務で、初回は研修のために東京に来ていた。2人の絡み面白いのに。

第一話では、新社長が「派遣は必要ない」という発言をして幕を閉じた。
企業の人材と言う観点から、人と企業という関係性がより現代の問題に沿った形で展開されるのだろう。結果的に、一派遣社員春子の活躍で会社の重大な危機が免れた、と言うオチなのだろうと想像しているけど、そこまでのエンターテイメントを楽しもうと思う。

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