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主従関係に始まる恋「君の視線が止まる先に」

恋愛ドラマのイメージは強いものの、BLものはそこまでまだ作られていないイメージの韓流ドラマ。
先日見た「カラーラッシュ」がとても良かったので、以前から名作との呼び声高かった「君の視線が止まる先に」を鑑賞(「カラーラッシュ」については以下の過去記事を参考にしてください。本当にいい。余韻が半端ないです)

今作も学生同士の恋愛ものですが、毛色が違うのは主人公2人が同級生で親友でずっと一緒にいるものの、その関係が「主従」にあるということ。

韓国の財閥であるTBグループ会長の息子テジュのボディガードとして一緒に暮らす同級生クグは、常にテジュを守り、まるで影のように過ごしていた。

テジュは父親が手を焼くほど自由気ままに過ごしていて、クグはいつもその尻拭いをしている。それでもテジュに尽くすクグ。その主従関係は決して揺らがなかったが、魅力的な転校生ヘミがクグを気に入ってアプローチをかけ始めた頃から静かに変わり始める。

テジュは女性関係も自由気ままでその姿すらも近くで見続けてきたクグ。静かに感情を押し殺し、テジュのわがままに付き合っていたクグだったけれど、その裏には認めたくはない複雑な心境があった。

初めての恋愛に戸惑うクグに恋愛の仕方を指南するテジュも、これまで感じたことのない焦りや怒りに混乱する。今までは自分の言うことが絶対でいつも隣にいた影のような存在のクグ。そのクグがヘミの登場により明らかに変わった。

影が自我を持った。

テジュの焦燥感がこのセリフに全て込められている。

お互いに気持ちを深く押し殺して最初は素直になれないけれど、自分の気持ちに気付くのが早かったのは、その境遇らしさというか、真っ直ぐで本当は気持ちの優しいテジュの方だった。

2人の同級生らしいやりとりの中に、揺れ動く2人の繊細な心が微妙な視線、態度、仕草に滲み出ていて、見ているこちらにも手にとるように伝わってくる。

財閥の息子という役柄を演じるのは、ハン・ギチャン(楽天TVより画像お借りしました)

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体格ではクグに劣っているけれど、イケメンで財閥の息子らしい甘えたところと悪ガキっぽい感じがバランスよく共存している感じがいい。日本で言うところのジャニーズっぽい顔立ちです。

テジュに黙々と尽くすクグを演じるのはチャン・ウィス。楽天TVのプロフィール写真だとちょっとクグらしくなかったので・・・一番クグらしい髪型をご本人のインスタ写真から。向かって左手がクグ、右手がテジュです。

ラストシーンでは、このぱっつんな前髪を流す感じにして大人な雰囲気を醸し出しているんですけれど、それがイメージ違ってすごく格好良かった。

↑この髪型が一番近いかな。役者さんってすごいなとシンプルに思います。クグはテジュと比べると二回りくらい体格が大きい、という感じでボディガードにふさわしくマッチョな体つきでそれもすごく魅力的です。こんな人に守られたら、そりゃ惚れるよ。


とにかく純度の高いラブストーリー。
お互いをいじらしく思いやる気持ちと、考えるがゆえに引いてしまう気持ち。その駆け引きがより、相手への気持ちを浮かび上がらせて見ているこちらも苦しくなってくるのです。
15年間という長い時間を常に一緒にいることで関係を築いてきた2人。おそらくその境遇ゆえにまともな友達もできず孤独を深めるところを、クグという絶対的な信頼のおける存在があることで心の安定を保ってきたテジュ。
彼のことを一番に理解し、助けられるのはクグただ1人なのだけれど、クグはこのまま一生一緒にいるわけではない、といつも自制してきたに違いない。

親が決めた主従関係という、自分たちで作ったわけではない関係の上に成り立ってきた2人。それは勝手に離すことは許されないのだけれど、気持ちまでは縛れない。そのことを最も恐れていたのは、果たしてどちらだったのか。
そしてタイトルが意味することも全編を通してよく伝わってきます。

ラストまで心地よく走り抜けられる、飽きさせないストーリー展開。

ただいま楽天TVで配信中。一話が10分程度と見やすいのでサクサクと休日の隙間時間を埋めたい場合には最適。全8話で2時間弱で見切れます。どのシーンにも無駄がない、美しい流れにひととき夢中になれます。

※私は今回はBS12で再放送したものを見ました。今後放送予定があるかわかりませんが、気になる方はBSのテレビ欄をこまめにチェックするといいかも!



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