Nissy Entertainment 4th LIVE ~DOME TOUR~ライブレポート②
2023.3.25に札幌ドームにて最終日を迎えた「Nissy Entertainment 4th LIVE ~DOME TOUR~」今回のドームツアーでは、名古屋・東京に続き札幌においても鑑賞した私が独断と偏見満載でツアーレポをお届けする。なお思いのまま書き綴ったところ13000字を超す長文となったためいくつかに分けてお届けする。
この公演は、通して「AI THREE」と言う案内役がステージに配置されたスクリーンに登場し、公演前の注意事項やこれから始まるエンターテイメントの布石ともなるべき案内をするのだが、THREE、3・・・これまでNissyはエンターテイメントをするNissyというキャラクター、西島隆弘と言う人間を交互に見せたり、同時に存在させたりして世界観を作ってきた。それとは別の第三の、という意味だろうか。
などというあてのない空想はこれくらいにして、ライブスタート。
ライブの始まりを告げるのは、「DoDo」
MVでは大勢の人々が見守るステージで歌い踊るところから、観客が消え、ダンサーが消え、やがて一人きりになる・・・という展開だが、今回はステージに流れた映像の中Nissyのトレードマークである青スーツでたった1人歌うところから始まる。やがて映像の中に閉じ込められていたNissyが解き放たれたようにステージに現れ、そこにダンサーが加わり、そして観客が現れる。まるで逆再生したような始まりに、あの日取り上げられた観客、歓声が戻ってきた実感が湧いてくる。
続いて「Trippin」「The Ride」と最新アルバムに収められている楽曲が続き、センターを行き来するステージでパフォーマンスを披露。そこに続くのは、爽やかな夏をイメージさせる曲「Never Stop」と「Relax&Chill」。いずれもパンデミック前に発表されている曲で、漂う空気は幸せと温かさに満ちているように感じる。
そして前半の最後は「Jealous」。最新アルバムの中では曲調は爽やかであるが、題名の通り嫉妬をテーマにしたもので、どちらかと言えば恋愛中というより、恋愛に気づかせてくれる嫉妬を描いた世界。それを泡のように表現する可愛いダンスが特徴の楽曲である。
続いて暗転し、映像が映し出される。
このツアーを通して、Nissyは地球外から来た生命体で、ある目的のために滞在しているに過ぎず、地球人と一定以上の関わりを持たない存在である、という物語が展開される。それをサポートしているのがAI THREEであり、Nissyの行き過ぎた行為を注意する役割も担っている。
Nissyは実は、素性を隠したまま、ある女性と知り合い、恋をし、今は同居している。けれどもう期限は近づいていて、女性が彼との記憶を一切なくすことで彼も彼女も守られる。わかっているけれど、彼女との楽しく幸せな日々と離れ難いNissy。THREEに急かされるように、彼女が寝ている間にその額に触れ、すべての記憶を取り上げるNissy。
形ないLove Letter
宛名は君で封じたまま
お願いどうか行かないで
届けたい想い
癒えないんだ
Nissyの語りから次の楽曲である「君に触れた時から」が始まる。
この歌は題名の通り、すれ違いにより別れた彼女を未だ思っているという歌であるが、君に触れた時から君を知った時から始まった恋は、ドラマの中では触れて終わるように綴られている。
切ないバラードの後、ドラマが再び流れる。
本当は彼女も彼が言えない事情を抱えていることを知っていて、けれどどうすることもできずに運命に身を任せることしかできなかったと語られる。
雨の中始まった恋、傘を差し出して気持ちを通わせた2人。再び雨の夜、彼は彼女に傘を差し出すけれど、彼女は彼のことがわからない。
続いて流れるのが「Don’t Stop The Rain」
これも最新アルバムからの楽曲であるが、この曲を初めて聴いた時正直鳥肌が立った。
切ないバラードはこれまでも何曲かあったが、こんなにも妖艶でどうしようもない恋を刹那に歌った曲があっただろうか。実はこのツアーで最も期待していたのがこの楽曲で、一番に惹きつけられたのもこの曲であった。ツアーの流れから言えば前半に位置するが、最高にセクシーで大人の色気が感じられるのはこの曲を置いて他にはない。リズミカルに突き上げる水の演出は土砂降りの雨のようで、思い通りに行かない恋に行き場のない思いを抱えながら悶えているようなダンスが展開される。
そしてドラマは佳境に入り、彼女との再会も不毛に終わった彼が部屋の中の思い出を次々と消していく様子が映され、そこに次の楽曲を連想させる白いドレスがふっと目に入る。
「Say Yes」
③へ続く
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