触らずしてエロティック。「有村架純の撮休　第3話」はご飯3杯はイケることを約束する

wowowで連続放送中のドラマ「有村架純の撮休」
コンセプトは「有村架純が１日撮休になったらどんなふうに過ごすか」と言うのを、毎回監督・脚本家を変えて描いていくもの(監督は何度か登場したりする)

1話は帰省、２話は友達と男社会について(友達役の伊藤沙莉さんが良かった)、そして3話に登場したのが、是枝監督と砂田麻美さん脚本の「人間ドック」。

これがショーゲキの問題作だった!!

撮休の日、事務所からの勧めでVIP御用達の人間ドッグに行くことになった有村架純ちゃん。
いろんな検査を回ってあぁ疲れたなぁ、次はあそこだ・・・と途端に緊張している様子の彼女。

実は次の腹部エコーの担当検査技師は、過去に何かあったらしいオトコ、近藤だった。

まず、この近藤を演じている役者さん、実は今注目している俳優笠松将さんでぱっと見、綾野剛に似てるなぁと(私の第一印象)思うのですが、もう少し柔らかな、でも時として冷たそうな浅野忠信にも通じるちょっと異質な空気感があります。要注目です。

もとい。

どうやら有村架純ちゃんはわざわざ彼だとわかってて、この検査を受けている様子。1話の帰省の時に出ていた関西弁が、ここでもしれっと2人の間に出てきます。

特筆すべきは、ここから数分間つづく「腹部エコーのシーン」。

ともかく、恐ろしくエロティックだった。

是枝監督ってあんな、官能的なシーンをじりじり嫌らしく撮るかたでしたっけ?
彼がドキュメンタリーの名手であることは先刻承知ではあったのですが、こんなに素晴らしくエロティックなシーンをあそこまでアンニュイに仕上げる豪腕をお持ちだったとは、お見それしました。
もうここは言わせてください、是枝監督バンザイ。

検査は最初、何事もないようなクールな感じで始まるのだけれど、有村架純ちゃんが上着をまくって腹部を晒したあたりから急にスイッチが入ったように、濃密な時間が流れ始める。
お腹に盛られるジェル、その上を滑っていく器具、この行ったり来たりがやたらアップで写されて、それがめちゃくちゃエロいのです。
もう「吸ってー吐いてー」をテレビの前で一緒にやってしまったほど(検査されたい気分)
行ったり来たり、有村架純の唇のアップ、ジェルの上をすべる器具、近藤の囁くような「はい横になってください」という声、思わず力が入ってしまう有村架純の足の指。

なんだこれは!!!!!!!!

こんなにも「検査」という行為で、特に触れることもないいままにこちらの想像力の全神経を昂らせるエロティックなシーンを作れるなんて、もう感動しかない!
カメラワークが絶妙で、内心はドキドキしているけど平静を装っている2人がすごくいじらしくて、余計にそれが気持ちを掻き立てる、ものすごいシーンが出来上がっていた。

もう器具の行ったり来たりの繰り返しだけでご飯３杯はイケる。余裕でイケます。おかわりもイケます。(なぜ急にご飯が出てくるのか、人の欲望は根底で繋がっているのだ)

確かにキスシーンや抱き合うシーンって直接的に訴えかけてくるけれど、好きだ、コイツ俺のもんだ、なんてあたまくしゃあとか言うシーンってわかりやすく「はい、わぁきゃあ言ってくださいよ」だけど、こんな風に受取る側の想像力に預けて勝手に盛り上がらせてくれる方が、何十倍も掻き立てられるってもんです。
しかもこれ、昔の何何って言う仲でしょう。もしかして、今となってはいい思い出になっちゃってる人、思い浮かべた視聴者いたんじゃないだろうか。

女優として、そう言う思い出の引き出しが深ーくあるって大事なこと。
2人にはそれ以上のことはなく、ちょっとしたサプライズはあるものの検査が終わって、はい、トュービーコンティニューなのですが、終わり方も微笑ましく秀逸。

wowowは何度か再放送があるはずなので、加入していてまだ観てない方は3話め要チェックです。イマジネーション全開でご覧ください(こちとらwowowとは何の関係もありません)。

※画像はHPよりお借りしました。