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優しいこころ

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人の心のやさしさ、いたわり、悲しみなどなどをテーマに詩を書いてみました。どうぞ心の薬にしてください
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2022年4月の記事一覧

「タバコの煙とトンボ取り」 詩

父さんと よく 近くの 野原へ トンボ取りに 行った。 ギンヤンマや 赤とんぼが ほとんど…

立山 剣
2年前
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「子供の言葉は玉手箱」詩

親子で歩く クヌギ林 大きな落ち葉を 見つけると 「これ ミッキーさんの お顔の形」 てん…

立山 剣
2年前
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「粉雪色のうそ」詩

鍋料理から あがる湯気は  母さんの言葉のよう ぬくもりで  心をいっぱいにしてくれる。 …

立山 剣
2年前
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「北風と競争」詩

子供は 天からの贈り物。 その笑顔は あたたかくて 陽だまり色。 春の 波がしらのように 笑…

立山 剣
2年前
12

「森はワンダーランド」詩

秋の里山は 山全体が 色とりどりの服を 纏う。 色づいた葉は風に 乗って舞う。 まるで 里…

立山 剣
2年前
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「鶴の舞い」詩

「一緒に 折り紙する?」 母の 春めいた声に 縁側の ピンクのゼラニウムも うなづき 籠の…

立山 剣
2年前
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「シベリアからの奇跡」詩

母さんが大事にしていた 柳行李(こうり) 色は 飴色になりピカピカ光る。 蓋を開けると 出征時に作られた ボロボロの日章旗。 父さんが ゲートル巻いて 敬礼した旗だ。 父さんの出征式は セピア色のまま 心のアルバムに はっきり 焼き付いている。 家の前には 近所の人たちが集まる。 手には 打ち振る 日の丸小旗 白い割烹着に 襷(たすき)がけ姿。 ミカン箱の上に立った 父さんは 軍服姿で 軍帽を目深にかぶる。 赤い襷と「祝出征 立山礼君」と 書かれた襷を 交差がけしている