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子どもの「多様性」に安易に寄り添うな

最近の教育界では子どもの「多様性」の尊重が金科玉条になっていまして、だれも異議を唱えないので、唱えてみます 笑。


今日の研修で、聴覚の感覚過敏がある子どもについて、
「過敏のある子どもがどのように世界を捉えているのか考えて、子どもに寄り添っていく」
「イヤーマフを使うのも手だての一つ」

というお話がありました。

大すじでは賛成なのですが、他方でわたしは、
安易に子どもの多様な特性に寄り添ってはいけない
とも思っています。

以前、聴覚過敏を訴える子どもがいて、母親の申し出からイヤーマフを教室の自席、机の横に常備していました。
その子は、グループ活動などのアクティブラーニング(死語)的な授業だと、イヤーマフをつけて、その後教室から出ていっていました。
でも、その子は、授業が図工だとどんなに教室内が騒がしくても平気で、みんなの中でワイワイと楽しそうに活動していました。
また、学校行事の芸術鑑賞教室でパーカッションのグループの公演を体育館で観た時には、この子はみんなと一緒に大音量のリズムに合わせてノリノリで身体を動かしていました。

この子の課題は本当に「聴覚過敏」なんだろうか?

このケースでは、「子どもの学級内での立ち位置(=比喩的な意味ね)と授業の中身」そして「子どもと母親の関係」に注目して、手立てを考える必要があるでしょう。

  *    *    *

子どもは「お客様」ではない。
「聴覚過敏」を訴えるからってすぐにイヤーマフを与えるのは、わがままな客に振り回される店員と同じでしょう。
お客様の多様なニーズにきめ細かくお応えするのが学校の仕事ではないのです。


(注:こういうことを書くと「感覚過敏の存在を否定するのか!」というお叱りをいただくかもですが、そうは書いていないので、あしからず御了承ください笑。)

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