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娘はおっぱいのお医者さん

娘は、2歳4ヶ月まで、おっぱいを飲んでいた。まわりの保育園ママたちは、1歳までには断乳している人がほとんどだろう。
娘は、おっぱいが大好きだった。そして、私は、どうやっておっぱいをやめるかがわからなかった。

保育園から帰り、手洗いをすませると、さっさと自分のおふとんに転がり、「パイ~、パイ~(早くおっぱいよこせ)」と請求する。
私は急いで、娘の横に転がり、おっぱいを差し出す。
娘は、勢いよく「ジューッ、ジューッ」と、おっぱいを飲む。       

私は、一日おっぱいを生産して、かたくなったおっぱいをすっかり飲んでくれて、身軽になる。

そんなある日、右の胸に2cm大のしこりを発見した。とうとう乳ガンになったか?と、こわくなりながら、婦人科を受診して、訴えた。先生は、しこりの部分に触れると、「ああ。」「でも、急にこの大きさで見つけたの?」と、大学病院の乳腺外科に、紹介状を書いてくれた。1週間後の予約だ。

娘は、相変わらず、おっぱいを勢いよく飲んでいた。
すると、一日一日、しこりの大きさが小さくなり、1週間後には、何もなくなった。

乳腺外科で、エコー検査すると、異常なしとのこと。「おそらく、乳腺炎でしこりが出来、娘さんが全部吸ってしまったんでしょう。」と。

乳ガンではなくて、安心したのと、そうか、娘は、おっぱいのお医者さんでもあったんだ、と有り難い気持ちになった。

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